もち麦・大麦・押し麦・玄米の違いを徹底比較!どれが痩せるかも解説

記事の監修
管理栄養士
安藤
老人保健施設の管理栄養士を経て、健康を維持するためには若いうちからの食生活の大切さを実感。2016年フリーランスとして活動を開始。レシピ開発や栄養指導、料理教室、食に関するコラムの執筆などを行っている。

毎日の食事、ちょっとした工夫でぐっと変わります。たとえば「主食」を見直すだけで、健康面にもダイエットの成果にも、はっきりとした違いが出てきます。

とはいえ、「もち麦、大麦、押し麦、玄米……結局どれがいいの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

この記事では、それぞれの穀物について、栄養成分や血糖値への影響、満腹感や腸内環境への働きまでを詳しく比較します。さらに、価格や手に入れやすさ、保存のしやすさなど、日常で気になるポイントも解説します。

あなたのライフスタイルに合った健康的な主食を選んでみてください。

もくじ

もち麦・大麦・押し麦・玄米の栄養の比較

もち麦・大麦・押し麦・玄米の栄養成分の比較を以下の表にまとめました。

穀物エネルギー (kcal)たんぱく質 (g)脂質 (g)炭水化物 (g)食物繊維 (g)
もち麦(もち性大麦)3409.61.678.213.0
大麦(丸粒・うるち)3296.71.578.312.2
押し麦(大麦加工品)3296.71.578.312.2
玄米3466.82.774.33.0
出典:食品成分データベース

エネルギーと三大栄養素は4品とも近い水準ですが、食物繊維量は大麦系(特にもち麦・押し麦)が突出していることがわかります。

もち麦・大麦・押し麦・玄米の健康成分の比較

もち麦・大麦・押し麦・玄米の健康成分を比較してみました。

穀物主な成分の特徴含まれる成分のメリット
もち麦β-グルカンが 6 g/100 g と穀物トップクラス 食後血糖値上昇の抑制 ・ LDLコレステロール低下
押し麦β-グルカン約 4 g/100 g + 総食物繊維9-10 g/100 g 水溶性繊維比率が高く、腸内環境を整え満腹感を維持 
大麦(丸粒)たんぱく質・カリウム・マグネシウムなどミネラルが豊富 高繊維+良質ミネラルで代謝や骨・筋機能を総合的にサポート 
玄米不溶性食物繊維が多く、ビタミン E も豊富腸を刺激して便通を改善・抗酸化作用でエイジングケア 

それぞれの穀物には異なる特長があります。体調や健康目的に合わせて選ぶと、より効果的な食生活が実現しやすくなります。自分の体と相談しながら、うまく組み合わせて取り入れていきましょう。

もち麦・大麦・押し麦・玄米のダイエット効果を比較

ダイエットと一口に言っても、そのアプローチはさまざまです。以下3つの観点から、それぞれの穀物が持つ力を掘り下げていきましょう。

  • 血糖値の上昇を抑える効果の比較
  • 満腹感と腹持ちの差の比較
  • 腸内環境改善への影響の比較

それでは具体的な比較に進みましょう。

血糖値の上昇を抑える効果の比較

食後に血糖値が急上昇する血糖値スパイクの予防は、脂肪の蓄積を抑えるうえで非常に重要です。

血糖値が急に上がると、インスリンというホルモンが多く分泌されます。このインスリンには、余った糖を脂肪として蓄える働きがあるため、結果的に太りやすくなってしまいます。

4種類の穀物を血糖値スパイク対策の視点で比較しました。鍵になるのは水溶性食物繊維 β-グルカンと GI(グライセミック指数)です。

穀物主なメカニズム・特徴β-グルカン量 (g/100 g)代表的な GI 値研究・実測データ
もち麦β-グルカンがゼリー状になり消化を遅延。約6 g48.3モチ性大麦100 %ご飯で GI 48.3、
押し麦もち麦よりβ-グルカンは約6割だが水溶性繊維豊富。精白米より低 GI約4 g66大麦配合50 %ご飯で GI 67.5
大麦たんぱく質・ミネラルがバランス良好。β-グルカン4 g前後。約4 g66白米に混ぜる大麦比率が高いほど GI が低下
玄米不溶性繊維が多く胃滞留が長い。ビタミン E豊富で抗酸化作用あり。―(主に不溶性繊維)55白米 GI 88に対し玄米 55 と低 GI

血糖値スパイクの対策としては、もち麦が突出して優秀です。次いで押し麦・大麦・玄米の順に効果が期待できます。

参考:

日本栄養・食糧学会, 『日本栄養・食糧学会誌』第71巻第6号, 2018年, 「配合比率の異なるモチ性大麦混合米飯の摂取が食後血糖値に及ぼす影響」

満腹感と腹持ちの差の比較

ダイエットを続けるうえで、多くの人がつまずくのが「空腹との戦い」です。

食事制限をしていても、常にお腹がすいていては心が折れやすくなります。だからこそ、いかに満腹感を得られるかが成功のカギになります。

以下の表でもち麦・大麦・押し麦・玄米の満腹感と腹持ちの差の比較をしました。

穀物食後すぐの満足感次の食事までの腹持ち
もち麦
水溶性食物繊維β-グルカンが水分でゲル化し、胃の中でかさ増し

β-グルカンの粘性が胃内容物の移動を遅らせる
押し麦・大麦
プチプチ食感で咀嚼回数が増え、満腹中枢を刺激

β-グルカンはもち麦の約6割だが白米より低GIで空腹を抑制
玄米
硬めの食感で噛む回数が増え満腹感◎

不溶性食物繊維で腹持ち良好

まず注目したいのが、もち麦です。もち麦に豊富な水溶性食物繊維は、水分を含むとゲル状にふくらみます。これが胃の中でかさを増し、自然と満腹感が持続しやすくなります。

朝食に麦ごはんを食べると、昼食以降の摂取カロリーが減少したとする研究結果もあります。朝ごはんで満足感が続くことで、間食や食べ過ぎを防ぎやすくなるのです。

その他の穀物に関しても満腹感や腹持ちに関しては優秀です。味や食感などの好みに応じて選んでも、食事や間食の量は抑えられるでしょう。

参考:

Springer, 『Plant Foods for Human Nutrition』Vol.69, No.4, 2014年, 「Effect of cooked white rice with high β-glucan barley on appetite and energy intake in healthy Japanese subjects: a randomized controlled trial」

腸内環境改善への影響の比較

腸の働きは、ダイエットの成否を左右すると言っても過言ではありません。

腸内環境が整っていないと、栄養の吸収効率が下がり、代謝やホルモンのバランスにも悪影響を及ぼします。だからこそ、腸活はダイエットの土台づくりとして重要です。

以下にもち麦・大麦・押し麦・玄米の腸内環境改善への影響の比較をまとめました。

穀物主な食物繊維タイプ腸への主な働き期待できる効果
もち麦水溶性食物繊維 β-グルカン が豊富善玉菌のエサになり腸内フローラを改善便通改善、腸の炎症緩和、体重管理サポート
押し麦水溶性+不溶性をバランス良く含有腸全体にまんべんなく作用し便のかさを増やす総合的な腸内環境サポート、満腹感アップ
大麦押し麦同様、水溶性・不溶性がバランス◎腸内発酵+物理的刺激の両面で作用ミネラル補給も兼ねた腸活が可能
玄米不溶性食物繊維が多い腸壁を物理的に刺激しぜん動運動を促進便秘解消、腹持ち向上

腸内フローラを整えたいのであれば、水溶性食物繊維β-グルカンが豊富なもち麦がおすすめです。

ぜん動運動を促進したいなら玄米が向いています。ですが水分補給を怠ると便秘になる可能性もあるので注意しましょう。

バランス重視であれば、両タイプの繊維で腸全体に働きかける押し麦や大麦もおすすめ。腸内環境が整うと代謝やホルモンバランスも安定し、ダイエットのベースが強化されます。

もち麦・大麦・押し麦・玄米のコストを比較

栄養や効果が優れていても、家計に負担が大きいと続きません。もち麦・大麦・押し麦・玄米のコストを総合的に見ていきましょう。具体的な観点は以下の通りです。

  • 市販されている価格帯の違い
  • スーパーやネットでの入手のしやすさ
  • 保存性と日常使いのしやすさ

コスト面を味方に付ければ、家計と健康の両立が実現できます。

市販されている価格帯の違い

もち麦・大麦・押し麦・玄米の市販されている価格帯の違いは以下の通りです。

穀物おおよその価格帯価格の補足
もち麦500〜1,500 円国産プレミア品は高め
押し麦300〜600 円胚芽押麦など高機能品は〜1,000 円
大麦300〜800 円業務用大袋はさらに安価
玄米500〜800 円銘柄・有機認証で変動

もっとも価格が安いのは押し麦や大麦です。もち麦や玄米はやや高めですが、底値自体はそこまで高くありません。目的やこだわりに応じて、続けやすい価格帯のものを選ぶと良いでしょう。

スーパーやネットでの入手のしやすさ

もち麦・大麦・押し麦・玄米のスーパーやネットでの入手のしやすさはをまとめました。

穀物スーパーネット通販
もち麦◎ 定番化し多くの店舗で常備◎ 品数・定期便が豊富
大麦(丸麦など)○ 押麦形態で置かれることが多い◎ 産地直送・大容量も充実
押し麦◎ 昔ながらの麦ごはん用として広く流通◎ まとめ買いで割安
玄米○ 米売り場で取扱い増加中◎ 品種・栽培方法を選べる

スーパーでは店舗ごとの品ぞろえによって、手に入りにくいものがあります。特に大麦は押し麦の形に加工されているものが多く、販売されていないこともあるでしょう。

ネット通販であれば、どの穀物も簡単に手に入ります。産地や品種にこだわるのもおすすめです。

保存性と日常使いのしやすさ

もち麦・大麦・押し麦・玄米の保存性と日常使いのしやすさは以下の通りです。

穀物未開封の賞味期限目安保存のポイント
もち麦約半年〜1年密閉し湿気を避ける
押し麦約半年〜1年常温で可、開封後は密閉
大麦約1年夏場は冷蔵で虫害防止
玄米約6か月(理想は3〜6か月で消費)冷暗所・冷蔵庫で酸化防止

麦や米は保存性に優れた食物です。高温多湿を避けて保存すれば、どれも比較的長期間保存できます。

目的別のもち麦・大麦・押し麦・玄米の選び方

ダイエットや健康づくりの目的に合わせて、ぴったりの穀物を提案します。選ぶ基準が明確になれば、今日からでも迷わず一歩を踏み出せるでしょう。具体的な選び方は以下の通りです。

  • 短期間で痩せたいならもち麦がおすすめ
  • 続けやすさ重視で選ぶなら押し麦がおすすめ
  • 家族の健康を考えるなら玄米と押し麦のブレンドがおすすめ

あなたのスタイルに合った主食を見つけてみてください。

短期間で痩せたいならもち麦がおすすめ

短期間で結果を出したいなら、血糖値のコントロールがカギになります。

もち麦には、糖の吸収をゆるやかにするβ‐グルカンが豊富です。白米の半量をもち麦に置き換えるだけで、糖質の吸収をゆっくりにできます。血糖値の急上昇が抑えられ、脂肪が蓄積されにくい体内環境が整います。

β‐グルカンは満腹ホルモンとも呼ばれる「GLP-1」の分泌を促すのも特徴です。食後の満足感が長く続き、食べすぎを防ぎやすくなります。

ただし、水溶性食物繊維を急に多く摂ると、腸内がびっくりしてお腹がゆるくなることもあります。最初は白米ともち麦を7:3程度から始め、1週間ほどかけて徐々に割合を増やしていくのがおすすめです。

慣れてくると、身体の軽さや便通の改善など、目に見える変化が少しずつ現れてくるでしょう。

続けやすさ重視で選ぶなら押し麦がおすすめ

無理なく食習慣を変えたい人には押し麦がぴったりです。

押し麦の魅力は、扱いやすさです。白米と一緒に炊飯器で炊けるため、特別な調理モードは必要ありません。炊飯用の水量さえ覚えてしまえば、忙しい朝でも炊飯予約が使えて、無理なく日常に組み込めます。

味や食感にもクセがなく、軽やかで食べやすいのが特徴です。栄養面では、水溶性・不溶性の両方の食物繊維をバランス良く含んでおり、腸内環境を穏やかに整える働きが期待できます。特に、腸内の状態をゆっくり立て直したい人には効果的です。

さらに、飽きずに楽しむためのアレンジもしやすいのが押し麦の強みです。炊き込みご飯やスープの具材にするなど、日々の献立に自然に取り入れやすく、料理のレパートリーも広がります。

家族の健康を考えるなら玄米と押し麦のブレンドがおすすめ

家族みんなの健康を意識するなら、玄米と押し麦のブレンドがおすすめです。栄養のバランスと食べやすさを両立できます。

玄米はビタミンEやマグネシウム、鉄分などのミネラルが豊富で、抗酸化力を高める働きが期待できます。一方で食感が硬く、特に子どもには敬遠されがちです。そこで押し麦を加えることで、全体がやわらかく仕上がり、口当たりが軽くなります。子どもも自然と食べやすくなる、一石二鳥の組み合わせです。

炊くときは、玄米モードを選び、浸水時間をしっかり確保しましょう。押し麦の割合を3割ほどにすると、モチモチ感が増して、噛むほどに甘みを感じられる食感に仕上がります。

たとえば、夫婦はダイエット中で子どもは成長期など、家族のライフステージが異なる場合でも、一回の炊飯で対応可能です。栄養を落とさず、調理も一度で済むという点は、忙しい日常において大きなメリットです。

自分に合った穀物はどれかを見極めよう

もち麦、押し麦、大麦、玄米それぞれの違いを解説しました。

最も大切なのは「何を食べるか」より「続けられるか」です。栄養効果が高くても、味が合わなかったり、調理が面倒であれば、習慣にはなりません。

始めやすさや味の好み、そして日々の生活との相性を大切にしてください。あなたのライフスタイルに合った穀物が見つかれば幸いです。

管理栄養士からのコメント

押し麦、もち麦どちらにもメリットがたくさんあるので、好みやその時の気分に合わせて使い分けてみてもいいですね!

管理栄養士プロフィール

安藤

老人保健施設の管理栄養士を経て、健康を維持するためには若いうちからの食生活の大切さを実感。
2016年フリーランスとして活動を開始。レシピ開発や栄養指導、料理教室、食に関するコラムの執筆などを行っている。
また「食を見直すならまずは毎日使う調味料から」をコンセプトに地元愛知県三河のみりんや味噌などの伝統的な調味料の素晴らしさを伝えるセミナーなども開催。

食や栄養に関すること全般ですが特に
・調味料について(みりん、味噌や醤油などの製法やどんなものを選ぶと良いかなど)
・体に優しいスイーツの選び方、作り方
・ダイエットレシピの考案
・時短レシピの考案を得意としています。

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この記事を書いた人

パン作りと温泉をこよなく愛する2児の母。老後は伊豆で大きな犬と暮らすのが夢です。豆乳が好き、猫は苦手。

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