生姜の効果効能|ダイエットや風邪に有効な栄養満点レシピもご紹介

生姜

生姜とは

生姜とは

生姜(英語名:ginger)は、ショウガ科ショウガ属の多年草です。私たちが普段食べているのは、その根茎部分。生姜は健康効果の高さから、食材だけでなく、生薬としても利用されている植物です。

初夏や11月頃に出回る葉つきショウガを「新生姜」と呼びます。焼き魚に添えられている「はじかみ生姜」は、葉が付いた新生姜の新芽を甘酢に漬けたものです。

私たちがよく目にするには、「根生姜」です。根生姜は、新生姜を収穫してから数ヶ月貯蔵したもの。貯蔵している間に繊維質が増えて、独特の茶色になるのです。

生姜の栄養

生姜の栄養

新生姜と根生姜の栄養に、大きな違いはありません。寝かせて凝縮することにより、根生姜の栄養価の方がやや高いと言われています。

食物繊維だけでなく、細胞活性に必須のカリウムや、骨の主要構成要素の一つであるカルシウム、ビタミン類など豊富な栄養素を含有しています。

生姜の栄養素 (可食部100gあたり)
エネルギー 17kcal 0.2mg
水分 95.1g 亜鉛 0.2mg
たんぱく質 0.4g マンガン 3.16mg
脂質 0.3g ビタミンE 0.6mg
炭水化物 3.5g ビタミンB1 0.02mg
ナトリウム 3mg ビタミンB2 0.01mg
カリウム 300mg 葉酸 0.12mg
カルシウム 2mg ビタミンC 1mg
リン 24mg 食物繊維 0.3g

参考文献:
「食品成分データベース」

生姜の歴史

生姜は熱帯原産の植物で、インドの伝統医療アーユルヴェーダの薬物であったと考えられています。中国でも生姜は漢方薬として使用され、日本でも古事記に記載があるほど、古くから活用されています。

生の生姜だけでなく、乾燥生姜や加熱した生姜を使い分けていた記録が残っています。大昔から、乾燥や加熱で効果が変わると認識されていたのは、興味深いですね。

参考文献:
「生薬の玉手箱」

生姜の効果・効能

生姜の効果・効能

生姜の魅力は、豊富な栄養素がもたらす効果効能だけではありません。生姜の三大辛味成分と言われる、「ジンゲロール」「ジンゲロン」「ショウガオール」の、冷えや脂肪への働きが凄いのです。

ジンゲロール自体は、血流促進や殺菌作用を持っています。加熱や乾燥によって、ジンゲロールがジンゲロンやショウガオールに変化。その作用もパワーアップするのです。料理に毎日取り入れたくなる、生姜の効果効能をご紹介します。

冷え性予防

冷え性予防

冷え性の女性に対する研究で、生姜摂取によって体温が上昇することが明らかになりました。この研究では、生姜を水やパンに混ぜて摂取しています。

生ではなく、調理加工しても効果を発揮してくれる生姜は、使い勝手が良いですね。末端の冷えに悩む人は、積極的にメニューに生姜を取り入れるのがおすすめです。

参考文献:
「ショウガ摂取がヒト体表温に及ぼす影響」

血糖値上昇を抑制

血糖値上昇を抑制

生の生姜に含まれるジンゲロールは、血糖値上昇を抑制することが明らかになりました。血糖値の上昇は、糖尿病、高脂血症、高血圧、肥満などの生活習慣病に繋がります。

大幅に生活習慣を変化させることが難しい方は、まずは生姜を薬味として食べる習慣から始めてみるのも良いでしょう。

参考文献:
「血糖値の上昇抑制に効果のあるショウガ成分」

脂肪燃焼効果

脂肪燃焼効果

生姜の辛味成分は、内臓脂肪の抑制や糖尿病予防への効果も期待できます。脂肪細胞が増えると、アディポネクチンという動脈硬化や糖尿病を防ぐ生理活性物質の分泌が減ってしまいます。

アディポネクチンは、「やせホルモン」と呼ばれるほど脂肪燃焼作用も持っている物質。生姜は、アディポネクチンの発現を高め、太りにくい身体を作ってくれるのです。ダイエット食材としても、生姜を取り入れたいですね。

参考文献:
「ショウガ辛味成分による脂肪細胞機能の制御」

コレステロールの合成阻害

コレステロールの合成阻害

生姜には、体内でのコレステロール合成を阻害する作用があります。様々な料理に取り入れやすい生姜は、動脈硬化や生活習慣病に繋がる高脂血症を予防できる食材として、大注目なのです。

参考文献:
「ショウガに含まれるコレステロール生合成阻害活性成分の検索」

消化機能の改善

消化機能の改善

生姜には、胃液の分泌を促してくれる効果があります。また、胃に続く消化器である十二指腸の運動機能を高める効果もあります。生の生姜と乾燥生姜、どちらにもこの効果は期待できます。

夏バテや食欲不振が気になるときは、食事に生姜を加えてみましょう。

参考文献:
「野菜と野菜成分の疾病予防及び生理機能への関与」

殺菌・抗菌作用

殺菌・抗菌作用

生姜汁には、抗生物質と同等以上の高い殺菌・抗菌効果があることが判明しています。料理が傷むのは、雑菌の繁殖によるものです。お弁当に入れるおかずや作り置きおかずには、積極的に生姜を使いましょう。。

参考文献:
「ショウガの殺菌・抗菌効果とその実用化に向けた解析」

生姜の漢方としての効果

生薬では、生姜を「ショウキョウ」、乾燥させた生姜を「カンキョウ(乾姜)」と呼びます。体を温め、新陳代謝機能を高める作用や、食欲増進、発汗などに効果があります。生姜を使った漢方薬の一部をご紹介します。

桂枝湯 ケイシトウ 頭痛、寒気、発熱
葛根湯 カッコントウ 頭痛、発熱、首の後ろのこわばり、寒気
六君子湯 リックンシトウ 胃腸の機能低下、食欲不振、胃痛、嘔吐
大建中湯 ダイケンチュウトウ 冷えにともなう腹痛や膨満感
柴胡桂枝湯 サイコケイシトウ 熱、悪寒、頭痛、吐き気
胃苓湯 イレイトウ 水様性の下痢、嘔吐、口の渇き、急性胃腸炎

参考文献:
「生薬解説:生姜」」

「生姜:熊本大学薬学部附属薬用資源エコフロンティアセンター」

生姜の栄養効果を引き出す使い方

生姜の栄養効果

生姜にはたくさんの効果効能がありますが、切り方や加工方法によって効果に差はあるのでしょうか。生姜の効果を引き出す使い方をご紹介します。

生姜の切り方

生姜の切り方によって、栄養に大きな変化はありません。しかし繊維質豊富な生姜は、切り方によって食感が変わります。

薄切りや千切りをする際は、繊維に沿って切ると、見た目が美しく、歯ごたえも楽しむことができます。

すりおろす際は、繊維を断ち切るようにすりおろすのがコツです。繊維と平行にすりおろすと、長い繊維の束が残ったおろししょうがになってしまいます。繊維が残っていると、見た目や口当たりが良くないのです。

乾燥生姜

生姜を乾燥させると、保存性も栄養価も高まります。チップ状になったものを買うこともできますが、自宅で余ってしまった生姜を乾燥生姜にすることもできるのです。

薄切りにした生姜を
・天日干し
・オーブン100℃で60分 で乾燥生姜の完成です。

乾燥により、生姜の辛味成分が増します。栄養価は上がりますが刺激も高まるため、使う量に注意が必要です。

生姜の皮

生姜の皮はごつごつしているため、剥きたくなる方も多いでしょう。しかし、生姜の栄養成分は皮付近にもたくさん存在しているのです。生姜の皮剥きは、口当たりの悪い最低限だけ削り取るのが、おすすめです。

・アルミホイルを丸めて擦る
・包丁の背で擦る
・スプーンで擦る

これらの方法であれば、皮をむき過ぎずに栄養を残すことができます。

生姜チューブでも効果はある?

すりおろし生姜に含まれるジンゲロールは、とても酸化しやすい物質です。生姜チューブは、加工してから日数が経っているため、栄養摂取としての役割はあまり期待できません。生姜チューブは、料理に生姜の風味を加えるものとして使いましょう。

参考文献:
「しょうがのチカラ」

生姜を使ったレシピ

生姜を使ったレシピ

抗菌効果の高い生姜には、作り置きできるレシピもたくさんあります。今回は、保存がきいて便利な佃煮や甘酢漬けのレシピと、風邪のひき始めにおすすめの生姜湯レシピをご紹介します。

生姜の佃煮

ご飯のおともにおすすめの生姜の佃煮です。
材料4人分
調理時間20

生姜の佃煮

 材料

しょうが
4個(350g)
煮汁(a)
酒、みりん
各1/4カップ
しょうゆ
大さじ4
砂糖
大さじ2

 つくり方

1
しょうがは皮をむいて薄切りにする。
2
小鍋(またはフライパン)に(a)を煮立てる。
3
煮汁にしょうがを入れ、落し蓋をする。たまに混ぜながら中火で15分煮る。
煮汁がほぼなくなったら、しょうがの佃煮の完成。

※冷めると味が落ち着き、辛みが和らぎます。

生姜の甘酢漬け

夏におすすめのお酢を使ったレシピです。生姜とお酢のパワーで夏バテを吹き飛ばしましょう。
材料4人分
調理時間20

生姜の甘酢漬け

 材料

しょうが
150g
甘酢液(a)
80ml
砂糖
大さじ2
小さじ1
1/2カップ

 つくり方

1
しょうがは繊維に沿って薄切りにする。
2
沸騰した湯に1を入れ、透明になるまで約2分ゆでて、水にさっとさらす。
ざるにあげ、水気を絞る。
3
鍋に(a)を入れて中火にかけ、煮立ったら耐熱性の密閉容器に移す。
4
甘酢液が熱いうちに2を加えてさっと混ぜる。1時間以上おく。

※冷蔵室で約1週間保存可能です。

風邪におすすめ!生姜湯

風邪のひき始め、寒気を感じた時に飲みたい生姜湯レシピです。
材料2人分
調理時間5

風邪におすすめ!生姜湯

 材料

おろししょうが
大さじ1
300ml
ハチミツ
大さじ2
水溶き片栗粉
少量

 つくり方

1
鍋に水を沸騰させ、ハチミツを加えて水溶き片栗粉でとろみをつけます。
2
仕上げにしょうがを加え、湯のみに注ぎます。

生姜の食べすぎによる副作用は?

生姜の食べすぎによる副作用は?

生姜には、たくさんの健康効果があることがわかりました。しかし生姜は辛味が強く、刺激があります。

生の生姜であれば、1日10g程度が摂取目安量となります。レシピでよく見かける「生姜一片」がちょうど10g程度です。親指の先から第一関節までくらいの大きさを目安に、料理に取り入れましょう。

参考文献:
「生姜:おきなわ薬剤師会報No.256」

生姜を食べすぎるとどうなる?

生姜を食べすぎるとどうなる?

生姜を薬味やスパイスとして料理に使用する分には、一般的に副作用はないと考えられています。

しかし生姜を食べすぎると、腹部不快感、胸やけ、下痢および放屁などの軽度の副作用が出る人がいるようです。刺激物に弱い方は、摂取量にも注意が必要です。

参考文献:
「生姜:厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』」

生姜についてのQ&A

生姜と新生姜って何が違うのでしょうか?
夏から秋にかけて出荷される若い根茎を新生姜といいます。新生姜を貯蔵して水分が抜けたものが、一般的な生姜と呼ばれるものです。
しょうが紅茶やしょうが湯に入れる生姜は、チューブでも良いのでしょうか?
生姜チューブでも、生姜の風味は味わえます。しかし、生姜チューブには添加物が多く含まれるため、粉末やその場ですった生姜を加えるのがおすすめです。
生姜は胃を傷付けませんか?
生姜には、消化を助ける効果があります。薬味として少量加える分には、問題ありません。しかし辛味成分の刺激によって、胃もたれを感じる人もいます。刺激物に弱い方は、ご注意ください。

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