もち麦にグルテンは含まれる?本当にグルテンフリーといえるのか解説

「もち麦は小麦と違ってグルテンフリーだから安心」だと考えている人も多いでしょう。
実は、もち麦には小麦に似た「グルテン様タンパク質」が含まれており、セリアック病やグルテン過敏症の方にとってはリスクとなる可能性があります。
表示に「グルテンフリー」とあっても、その基準や定義は国や制度によって異なるのが現実です。この記事では、もち麦が「本当にグルテンフリーと呼べるのか?」という疑問について徹底解説します。
もち麦のグルテンに不安を感じる人は、ぜひ続きをご覧ください。
もち麦はグルテンフリーではない

結論から言うと、もち麦はグルテンフリーではありません。
もち麦は小麦に含まれるグルテンそのものは、入っていない食品です。ですが体内での免疫反応まで含めて考えると、必ずしも安全とはいえません。
まず押さえておきたいのは、「グルテンが含まれるかどうか」は単純な二択ではないということです。たとえグルテンという名前のタンパク質が含まれていなくても、似た構造を持つ成分が、同様の影響を体に与えることがあります。
もち麦に含まれるホルデインが、その代表的な例です。ホルデインは、小麦のグリアジンと分子構造が非常によく似ています。
とくに免疫細胞であるT細胞を刺激する抗原決定基(エピトープ)を共有しているのが特徴です。実際に、セリアック病患者のT細胞を使った実験では、ホルデイン由来のペプチドが免疫反応を引き起こすことが確認されています。
つまり名前や見た目が違っても、体の免疫系には「グルテンのようなもの」として認識されてしまうということです。もち麦は健康的な印象が強い食材ですが、セリアック病や非セリアックグルテン過敏症の人にとっては注意が必要です。
参考:
FDA, 『FDA公式サイト』, 2024年, 「Questions and Answers on the Gluten-Free Food Labeling Final Rule」

もち麦のグルテン含有量と体への影響

もち麦のグルテン含有量と体への影響について、以下の観点から解説します。
- もち麦に含まれるグルテンの量
- グルテンによるセリアック病・グルテン過敏症への影響
それぞれ見ていきましょう。
もち麦に含まれるグルテンの量
もち麦に含まれるグルテン様タンパク質の量は、最新の研究(2023年)によれば乾燥重量100gあたり約7.2gと報告されています。小麦粉に含まれるグルテン量である8,6g/100gと比較するとやや少ない量です。
しかしセリアック病患者にとっての「10mg/日以下」という摂取許容量と照らし合わせると、非常に高いといえます。もち麦を30g食べただけで、この基準を簡単に超えてしまう可能性があるのです。
もち麦はグルテンフリー食品ではないということを明確に理解しておくべきです。特にセリアック病やグルテン過敏症のある人にとっては、リスクの高い食材に分類されます。
参考:

グルテンによるセリアック病・グルテン過敏症への影響
セリアック病の人にとって、もち麦は避けるべき食品です。
グルテンに対する免疫反応が非常に敏感で、ほんの数ミリグラムの摂取でも小腸の炎症や損傷が引き起こされます。もち麦にはグルテン様のタンパク質が含まれており、セリアック病患者には安全とは言えません。
一方、非セリアックグルテン過敏症(NCGS)の場合は、反応の程度に個人差があります。10〜50mg程度のグルテンでも、腹痛や倦怠感などの症状を訴えるケースがあると報告されています。このため、グルテンに敏感な人がもち麦を摂取する場合も、体調の変化に十分注意が必要です。
もち麦は食物繊維が豊富な反面、発酵性の食物繊維(FODMAP)を多く含むため、腸が敏感な人にとっては刺激になりやすい一面もあります。グルテン様タンパク質とFODMAPで二重の負担がかかる可能性もあるのです。
そのため、グルテンに過敏な人がもち麦を試す場合は、医師や専門家に相談し、少量から慎重に始めてみてください。
逆に言えば、セリアック病やグルテン過敏症ではない人であれば、もち麦を恐れる必要はありません。
参考:
National Center for Biotechnology Information, 『PubMed Central』, 2017年, 「セリアック病患者におけるオート麦と大麦の毒性」
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グルテンに敏感な人が安心して食生活を続けるためには、日々の習慣の中で意識的にグルテンを避ける必要があります。以下の3つの視点で、具体的なポイントを整理しました。
- セリアック病や小麦アレルギーの人は避ける
- 「グルテンフリー」表示は必ずしも安全を保証しない
- 製造ラインや保管工程での混入にも注意する
それぞれ見ていきましょう。
セリアック病や小麦アレルギーの人は避ける
セリアック病や小麦アレルギーの人は、大麦系の穀物を避けるべきです。
国際的な医療ガイドラインでもグルテンの完全除去が推奨されています。もち麦、押麦といった大麦由来の食品も対象に含まれます。
わずかな摂取でも免疫反応やアレルギー症状を引き起こす可能性があります。セリアック病や小麦アレルギーの人はもち麦を口にしないようにしましょう。
代わりの食材の一例は以下のとおりです。
- 白米
- 玄米
- キヌア
- とうもろこし
- そば
特にキヌアは、もち麦に近い満足感を得られる高たんぱく食品として人気を集めています。
参考:
「グルテンフリー」表示は必ずしも安全を保証しない
「グルテンフリー」表示があっても、安全が保証されるとは限りません。
前提として、日本では「グルテンフリー」に関する法的な定義がありません。一方、小麦アレルギーについては、消費者庁により加工食品に表示義務が定められており、アレルゲン表示の対象になっています。
また「グルテンフリー」と書かれた製品であっても、国や企業によって基準が異なります。たとえば海外では、グルテン含有量が20ppm(1kg中に20mg)未満であれば「グルテンフリー」とされるのが一般的です。しかしこの基準でもセリアック病患者にとっては十分でない場合があります。
さらに注意すべきなのは、原材料表示の落とし穴です。輸入加工品や外食メニューには、大麦由来の成分が含まれていることがあります。より確実にグルテンを避けるには、「大麦不使用/麦芽不使用」と明記された製品を選びましょう。
あわせて、GFCO(グルテンフリー認証機構)やCrossed Grainマーク(グルテンフリー国際認証)など、信頼できる第三者機関による認証がある製品を選ぶと安心です。
参考:
消費者庁, 『報道発表資料』, 2016年, 「食品表示の適正化に向けた取組について」
消費者庁, 『消費者庁ウェブサイト』, 令和5年, 「食物アレルギー表示に関する情報」
製造ラインや保管工程での混入にも注意する
グルテンに敏感な人は、製造ラインや保管工程での「混入」にも細心の注意を払う必要があります。表示や原材料だけでなく、加工環境まで気にかけることが大切です。
大麦製品を扱う工場では、グルテンフリー専用ラインと通常の共用ラインが併設されているケースが多くあります。そのためグルテンフリー専用のラインに、グルテンを含む成分が混入するリスクがあります。
共用のフライヤーや製造機器の使用も、グルテン混入のリスク要因です。ごく少量のグルテン含有量であっても、一部の人には症状が出ることが確認されています。
グルテンを完全に避けるには、購入前にメーカーのWebサイトを確認するとよいでしょう。チェックポイントは以下の通りです。
- アレルゲン分析結果
- 専用ライン使用の有無
- 製造環境のQA
不明な点があれば、遠慮なく問い合わせてみてください。グルテンフリーを目指すには、表示確認にとどまらず製造工程にも気を配る必要があります。
とはいえ、完璧なグルテンフリーを目指すのはセリアック病や小麦アレルギーの人だけで問題ありません。
医学的な理由から小麦が制限されていないのであれば、もち麦を極度に怖がる必要はないでしょう。
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