雑穀米に危険性はある?食べ過ぎのデメリットや安全な選び方もご紹介

健康のために雑穀米を食べてみたいけれど、危険、体に悪いといった声が気になっていませんか?

SNSやネット上では、雑穀米に含まれる成分やアレルギー、農薬リスクなど、さまざまな危険説が飛び交っています。しかし実際のところ、正しい知識と選び方・食べ方を知っていれば雑穀米は危険な食べ物ではありません。

本記事では雑穀米が危険といわれる理由や食べ過ぎによるデメリットを解説します。後半では安全に選ぶコツもご紹介。記事を読み終えたあなたは、もう雑穀米選びに迷うことはありません。

毎日の食卓に、安心して美味しく雑穀米を取り入れましょう!

もくじ

雑穀米が危険といわれる理由

雑穀米が危険だといわれる理由には、実際よりも不安を煽る情報や誤解が影響しています。具体的には四つの指摘がよく取り上げられますが、正しい知識と調理法を守れば深刻なリスクはほとんどありません

ここではどのような誤解や不安があるのか順番に見ていきます。

  • フィチン酸がミネラルの吸収を阻害するといわれている
  • アブシジン酸がミトコンドリアを傷つけるといわれている
  • 特定の成分にアレルギー反応を起こす人もいる
  • 残留農薬や重金属のリスクがあるといわれている

それぞれ見ていきましょう。

フィチン酸がミネラルの吸収を阻害するといわれている

フィチン酸がミネラルの吸収を阻害するという懸念は聞かれます。ですが最新の研究では、ふだんの食生活で深刻な問題になることはないとされるのが一般的です。フィチン酸は玄米や雑穀に多く含まれており、昔からカルシウムや鉄分の吸収を妨げる「抗栄養素」として知られてきました。

ただし、適切な量で摂取していれば健康な人に悪影響を及ぼすことはほとんどありません。むしろフィチン酸は腸内環境を整えたり、生活習慣病の予防に役立つ面もあると報告されています。

問題になるのは、同じ食品を極端に大量に食べたり、極端な偏食をした場合だけです。普通に主食として雑穀米を食べるぶんには、ミネラル不足を心配する必要はありません。

それでも心配なときは、雑穀米を一晩水につけて発芽させることで、酵素の働きでフィチン酸が分解されやすくなります。このひと手間で、さらに安心して雑穀米を楽しめるでしょう。

フィチン酸は、正しい知識で付き合えば、体にとってもメリットがある成分です。

参考:

MDPI, 『Antioxidants』Vol.12 No.1, 2023年, 「Phytate Intake, Health and Disease: “Let Thy Food Be Thy Medicine and Medicine Be Thy Food”」

Healthline Media, Healthline, 2023年, 「Benefits of Foods That Are High in Phytic Acid」

アブシジン酸がミトコンドリアを傷つけるといわれている

アブシジン酸がミトコンドリアを傷つけるという不安は、科学的な評価から見ても過度な心配と言えます。日本の食品安全委員会による評価でも、アブシジン酸は日常の食事で摂取しても人の健康を損なうおそれがないことが明らかにされています。

ラットを用いたさまざまな毒性試験でも、極めて高い量を長期間与えても毒性や健康被害は認められませんでした。遺伝毒性や発がん性についても陰性とされています。さらに、アブシジン酸は米国や欧州、オーストラリアなど各国の食品安全機関でも「通常の食生活レベルでの摂取ならリスクなし」と評価されています。

つまり、ネット上で語られるような「ミトコンドリア毒」といった極端な表現は、高濃度を細胞や動物に投与した特殊な実験だけが一人歩きしているにすぎません。

むしろ、雑穀米に含まれるポリフェノールや食物繊維などの健康メリットが上回ると考えられています。正しい知識を持ち、バランスのよい食事を心がけることが大切です。

参考:食品安全委員会, 『アブシシン酸 評価書』, 2021年, 「アブシシン酸を対象外物質とする食品健康影響評価」

特定の成分にアレルギー反応を起こす人もいる

雑穀米のブレンドにはもち麦が含まれることも多く、アレルギーが心配されることがあります。実際に発症例は少ないものの、日本でも重いアナフィラキシーが報告されています。

特にキビ、アワ、ヒエ、ソルガム、もち麦などがアレルギーの原因です。鳥飼い経験者や花粉症の人は、体が似た成分に反応する交差反応を起こすこともあります。

また、小麦アレルギーの人がすべてもち麦で反応するわけではありません。ですが大麦やライ麦と小麦はタンパク質が似ているため、一部で交差反応によるアレルギー症状が現れる場合もあります。

初めてもち麦入りの雑穀米を食べるときは、ごく少量から始めてみてください。パッケージの原材料表示も必ずチェックし、小麦アレルギーのある人はもち麦などが入っていないものを選びましょう。

参考:食物アレルギー研究会, 『食物アレルギー研究会 公式サイト』, 2023年, 「小麦アレルギー」

残留農薬や重金属のリスクがあるといわれている

雑穀米には、残留農薬や重金属のリスクはほぼありません。、内外への厳しい検査体制が整っているからです。

とくに日本では、輸入された米や雑穀も含め、カビ毒・重金属・残留農薬などが食品衛生法に基づき網羅的に検査されています。農林水産省や厚生労働省に登録された検査機関で、農薬はもちろん、ヒ素やカドミウムなどの重金属も厳しくチェックされており、基準値を超えた例はほとんどありません

また、日本国内の農場でもJGAP(Japan Good Agricultural Practice)など、農産物の安全性や生産工程管理の基準が設けられています。

  • 農薬や肥料の使い方
  • 土壌や水質
  • 収穫後の管理

生産者はこれらの基準に基づき自己点検や記録の保管、リスク評価を実施し、安全で高品質な雑穀米の生産に努めています。

そのため残留農薬や重金属のリスクについては、あまり心配しなくても大丈夫です。

参考:

農林水産省, 『農場用管理点と適合基準 解説書 2022年版』, 2022年, 「農場用管理点と適合基準2022 穀物」

農林水産省, 『農林水産省ウェブサイト』, 2023年, 「輸入米麦のかび毒、重金属及び残留農薬等の検査」

雑穀米の食べ過ぎによるデメリット

雑穀米は優秀な主食ですが「ヘルシーだから」と量を増やし過ぎると逆効果になる場合があります。

ここでは食べ過ぎた際のデメリットを以下の側面から解説します。

  • 食べ過ぎるとカロリーオーバーになる
  • 体質によってはお腹が張りやすくなる
  • 消化不良や便秘、下痢の原因になる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

食べ過ぎるとカロリーオーバーになる

雑穀米は白米より低GIで栄養価も高いですが、実は茶碗一杯あたりのカロリーは白米とあまり変わりません。「ヘルシーだから」とつい多めによそうと総摂取カロリーが増え、体重増加につながることもあります。

とくにダイエット中は、茶碗一杯150gを目安に、量を控えめにするのがおすすめです。また、しっかり噛んで食べると満腹感が得やすくなり、食べ過ぎ防止につながります。

さらに、副菜でたんぱく質や野菜をプラスすると、血糖値の急上昇も抑えやすくなります。栄養バランスを意識しながら、雑穀米をうまく取り入れていくことが健康維持のポイントです。

体質によってはお腹が張りやすくなる

雑穀米の食物繊維は、腸内で水分を吸って膨らむのが特徴です。人によってはガスが発生しやすくなり、お腹の張りや違和感を感じることがあります。

とくに胃腸が敏感な方は、白米7:雑穀3くらいの割合から始めるのがおすすめです。腸が慣れてきたら徐々に雑穀の量を増やすと無理なく取り入れやすくなります。

また、かぼちゃやきゅうりなどの副菜を組み合わせると、ガスの発生をさらに軽減できます。さらに、もち麦やオート麦のように水溶性食物繊維を含む穀物を一緒に摂れば、便の滑りが良くなり、張りよりも排便促進の効果が強くなるケースもあります。

自分の体質や腸の調子を見ながら、少しずつ雑穀米を取り入れていくことが、快適な食生活へのポイントです。

参考:Healthline Media, Healthline, 2023年, 「Bloating 101: Why You Feel Bloated」

消化不良や便秘、下痢の原因になる

雑穀米を食べて消化不良や便秘、下痢になることがあるのは、食物繊維を一度にたくさん摂るためです。とくに普段あまり食物繊維をとっていない人が急に雑穀米を増やすと、胃もたれや下痢といった症状が現れることがあります。

特に子どもは消化器が十分に成長していない場合もあるため、小さいお子さんには雑穀米を食べさせないようにしましょう。

こうしたトラブルを防ぐためには、炊飯前に雑穀米を30分以上水に浸しておくのが効果的です。酵素が働いてデンプンが部分的に分解され、消化しやすくなります。

もし食後に胃の痛みが続く場合は、一回に食べる雑穀の量を半分に減らしてみてください。症状が改善しなければ早めに医師へ相談しましょう。

雑穀米を安全に楽しむための選び方

雑穀米を安全に楽しむには、信頼できる雑穀を選ぶことが一番の近道です。ここでは具体的な選び方を以下の観点から解説します。

  • 国産で有機栽培の雑穀米を選ぶ
  • アレルギー物質の有無を確認する

それぞれ見ていきましょう。

国産で有機栽培の雑穀米を選ぶ

国産で有機栽培の雑穀米を選ぶと、安全性がさらに高まります。

国産の雑穀米は、日本の厳しい農薬基準をクリアしたものだけが流通しているからです。国産品は生産者の顔が見える商品も多く、品質管理もしっかりしています。

さらに、有機JASマークが付いた雑穀米は、化学合成農薬や化学肥料を3年以上使わずに育てられています。この認証は生産から流通まで国が定めた基準に基づき、第三者機関による審査を通過した証です。

有機JASマークがある商品はやや価格が高い傾向がありますが、健康リスクを抑えられると考えれば妥当な費用かもしれません。まずは小容量パックで味と安全性を確かめ、自分や家族に合う商品を探してみましょう。

参考:ACCIS有機認証センター, 公式ウェブサイト, 2024年, 「有機JAS認証の仕組み」

アレルギー物質の有無を確認する

雑穀米を選ぶ際には、アレルギー物質の有無も必ず確認しましょう。表示義務のある「特定原材料等28品目」に雑穀自体は含まれていませんが、小麦や大豆などが混入している場合があります。

製造工場が専用であることを明記している商品や、「グルテンフリー」「豆なし」といった表示があるものは、アレルギー物質の混入リスクを減らせます。

家庭で雑穀米を初めて使うときは、小袋タイプを選び、特に子どもには食後2時間ほど体調を観察する習慣をつけると安心です。アレルギー経験がある人は医師に相談し、必要に応じてパッチテストや少量での経口試験を行うとより安全に食べられます。

参考:Canadian Food Inspection Agency, 公式ウェブサイト, 2024年, 「Allergen-free, gluten-free and cross-contamination statements」

雑穀米は正しく選べば安全に食べられる

雑穀米は、ポイントを押さえて選べば安心して毎日の食事に取り入れられます。

危険といわれる背景の多くは、過剰摂取や不正確な情報が原因です。ただし小麦アレルギーは少量でも症状が出る可能性があるので、原材料は必ずチェックしましょう。

雑穀米は1食につき茶碗一杯150g程度が目安です。国産や有機栽培、表示がしっかりした雑穀米を選ぶことで、家族みんなで安心して栄養価の高い主食を楽しめるでしょう。

不安だからと避けるのではなく、正しい知識を持ち、賢く選択することが大切です。雑穀米をうまく取り入れて、より健康的な食卓を目指してみてください。

雑穀米の危険性に関するQ&A

雑穀米は本当に危険ですか?

雑穀米は極端に大量に食べない限り大きな害は確認されておらず、むしろ食物繊維やビタミンなどを効率よくとれる主食として評価されています。

雑穀米を毎日食べても大丈夫ですか?

毎日でも茶碗一杯程度を目安にすれば栄養バランスを整える助けになり、健康な人が常識的な量で続ける分には問題ありません。

雑穀米のフィチン酸は体に悪いのですか?

フィチン酸はミネラルの吸収をゆるやかにする面があります。ですが普通の量なら悪影響は小さく、腸内環境を整える働きも報告されています。

雑穀米を食べ過ぎると太りますか?

雑穀米は白米と同じ程度のカロリーなので多く食べれば摂取エネルギーが増え、運動量が変わらなければ体重増加につながる可能性があります。

雑穀米でお腹が張りやすいのはなぜですか?

雑穀米に含まれる不溶性食物繊維が腸内で水分を吸って膨らみ、ガスが発生しやすくなるためで、量を控えめにして慣らすと改善しやすいです。

雑穀米でアレルギーが起こることはありますか?

キビやもち麦など特定の雑穀に反応する人がいます。初めて食べる場合は少量から試し、原材料表示を必ず確認すると安心です。

雑穀米に残留農薬の心配はありますか?

日本では輸入品も含め厳しい検査が行われており、基準値を超える農薬や重金属が出る例は極めてまれなので過度な心配は不要です。

雑穀米を選ぶときの安全ポイントは何ですか?

国産で有機JASマークが付いた商品を選ぶと農薬使用が抑えられ、原材料表示で混入アレルゲンの有無を確認するとさらに安全性が高まります。

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この記事を書いた人

読み物コンテンツ担当。ダイエットのため筋トレを始めるも、食事にも気をつけないと痩せないことに気づく。1日1杯のはちみつレモンが至福の時間です。料理が趣味。ついつい味見の量が多くなってしまうのが悩みの種です。

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