自家製ドライフルーツの作り方。栄養からカロリー、糖質まで

ドライフルーツ

ヘルシーな甘味として、小さなお子さんから高齢の方にまで親しまれているドライフルーツ。
市販のものに含まれる糖分や油分、漂白剤などの添加物が気になっている方も、ご家庭で作れば安心・安全で好みの味のものが手に入ります。

今回は、「ドライフルーツにはどんな栄養があるの?」「ドライフルーツは糖質が多くて健康に悪い?」といった疑問にお答えし、自家製ドライフルーツの作り方をご紹介します。

ドライフルーツについて

ドライフルーツについて

ドライフルーツ(英語:Dried fruit)とは、乾燥させた果物のこと。

古代から果物の代表的な保存方法であり、持ち運びやすく栄養価が高いこともあって重宝されてきました。高温多湿で、冬を除く一年中さまざまな果物が手に入る日本ではドライフルーツといえば干し柿くらいですが、海外ではさまざまな種類のドライフルーツが存在します。

そのままつまんでお茶請けにされたり、パウンドケーキやパンなどの具材とされたりするほか、最近では健康志向の料理やスイーツのレシピに砂糖の代わりに加えられることも増えているようです。

おすすめドライフルーツ10種

10種

一口にドライフルーツといっても、その楽しまれ方はさまざまです。
ドライフルーツとして人気の高いおすすめ果物10種とその特徴、楽しみ方をまとめました。

お茶やお酒のお供におすすめなドライフルーツ

イチジク

砂糖不使用でもしっかりした甘さ。プチプチとした種の触感があり、焼き菓子に入れても美味しいほか、紅茶やワインともよく合う。

リンゴ

肉厚で生とは異なる味わい。紅茶と一緒にお茶請けに楽しんだり、ヨーグルトに入れたりして楽しまれる。チョコレートがけや手作りグラノーラの材料にしても。

マンゴー

強い香りが残り、柔らかで肉厚な食感が人気。産地によって味が異なる。

栄養豊富おすすめなドライフルーツ

プルーン

濃厚な味がある。ドライフルーツの中でも手に入りやすく、便秘対策などに食べる人も多い。

サンザシ

サンザシの実を砂糖や寒天と混ぜて成型したもの。甘酸っぱい味。血の巡りや消化に薬効があるとされている。

アンズ

生で食べるより味と香りが凝縮して美味しくなる。栄養豊富でβカロテンを多く含み、健康目的で食べる人も。

棗(なつめ)

デーツとは異なる植物。栄養価が高く、中でも大棗と呼ばれるものは薬膳料理に使われる。中国茶のお茶請けとしても。

焼き菓子やパン、料理などにおすすめなドライフルーツ

ブドウ(レーズン)

パン、焼き菓子、料理のトッピングなど活躍の幅が広いドライフルーツ。一般的なカリフォルニアレーズンのほか、爽やかな味と色が特徴のグリーンレーズンや色の薄いサルタナレーズンなどがある。

デーツ(なつめやし)

ねっとりした甘さがある。健康志向のレシピで砂糖の代わりとして甘味づけに使われることも多い。

クランベリー

爽やかな酸味があり、パンや焼き菓子に練り込まれることが多い。

ドライフルーツの種類
ドライフルーツには無糖のものと加糖のものが存在し、同じ果物でも無糖で処理されているものと糖分を加えられているものでは味や食感が異なります。
無糖のものは高価になる傾向がありますが、加糖の方がふっくら仕上がることもあり、どちらが品質がよいとは単純に比較できません。
乾燥のさせ方も商品によって異なり、セミドライのものからドライのものまでさまざまです。

ドライフルーツの栄養とカロリー

栄養とカロリー

ドライフルーツには、果物をそのまま乾燥させたものから油や糖分を加えたものまで商品によってさまざまな種類があります。
当然、カロリーや糖質の量も商品によって異なりますが、「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」から一般的なドライフルーツの栄養について見てみましょう。

食品成分 エネルギー 炭水化物 食物繊維 糖質 ミネラル カリウム カルシウム α-カロテン β-カロテン 葉酸 ビタミンC
kcal g g g g mg mg μg μg μg mg
あんず/生 36 8.5 1.6 6.9 0.4 200 9 0 1500 2 3
あんず/ドライ 288 70.4 9.8 60.6 3.2 1300 70 0 5000 10 微量
いちご/生 34 8.5 1.4 7.1 0.5 170 17 0 18 90 62
いちご/ドライ 302 82.8 3 79.8 1 15 140 微量 28 4 0
いちじく/生 54 14.3 1.9 12.4 0.4 170 26 0 18 22 2
いちじく/ドライ 291 75.3 10.7 64.6 2.5 840 190 1 46 10 0
かき/甘がき、生 60 15.9 1.6 14.3 0.4 170 9 17 420 18 70
かき/ドライ 276 71.3 14 57.3 1.5 670 27 15 1400 35 2
ぶどう/生 59 15.7 0.5 15.2 0.3 130 6 0 21 4 2
ぶどう/ドライ 300 80.3 4.1 76.2 1.9 740 65 0 11 9 微量

出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

<ドライフルーツはカロリー・糖質が高め!>

まず目を引くのはドライフルーツのカロリーと糖質の高さです。
水分が抜けた分、成分が凝縮するのは当然ですが、加糖処理されているものはそれ以上に糖質が増加するので注意してください。

<栄養はギュッと凝縮、でも失われてしまうものも…>

ミネラルや一部のビタミンなどは、ドライにすることにより栄養が凝縮され、含有量が増えています。特にあんずのβ-カロテンなどはドライにしたことにより少量でたっぷり摂取することが可能です。また、食物繊維が多いのもすべてのドライフルーツに共通する特徴です。
一方で、ビタミンCのようにドライにすることでそのほとんどが失われてしまう栄養もあるので要注意です。

ドライフルーツと健康維持・ダイエット

ダイエット

ドライフルーツを健康維持に役立てるには「ドライフルーツは生のフルーツと同じではない」ということを意識しておく必要があります。

その糖質量から考えると、ドライフルーツはどちらかというと生のフルーツよりもビスケットなどお菓子類の仲間。
「健康にいいから」といって生のフルーツと同じ感覚で摂っていると血糖値の上昇を招き、肥満や生活習慣病につながってしまいます。

ドライフルーツは「お菓子」もしくは「甘味料(砂糖・ハチミツ・メープルシロップなど)の仲間」であるという意識をもち、焼き菓子や清涼飲料水、砂糖などの代わりに摂れば、含まれる食物繊維のおかげで比較的血糖値も上がりづらく(=太りづらく)、便秘解消などの効能も得られる健康的なおやつになるでしょう。

「ドライフルーツ=健康に良い食べ物」という意識でたくさん摂るのではなく、「ドライフルーツ=比較的健康的な甘味料」という意識で、ヨーグルトの甘味づけやお茶請けに少量いただくのが、健康維持やダイエットのための賢い摂り方です。

自家製ドライフルーツの作り方

作り方

市販のドライフルーツは糖分や添加物の使用が心配…そんな方は自家製ドライフルーツを作ってみてはいかがでしょうか。フルーツの種類や希望する仕上がり(やわらかさなど)によって処理の方法が異なるため、決して簡単とはいえませんが、うまく作れれば好みの味や食感に仕上がります。

<ドライフルーツに向く果物・向かない果物>

ドライフルーツにするのに向いている果物は、「水分が少ない」「水分が抜けても香りや風味が残る」「水分が抜けることで酸味が抜ける・味が凝縮するなど風味が向上する」といった特徴をもつもの。
逆にいえば、みずみずしさを楽しむスイカや和梨などはドライフルーツに向きませんし、淡い風味を楽しむビワのような果物も向いていません。
まずはバナナなど、水分が少なく作りやすい種類の果物からトライしてみましょう。

<変色しやすいフルーツの下処理方法>

リンゴなど変色しやすいフルーツの場合は塩水やレモン汁に浸け、変色防止の処理を行ってから乾燥させます。

<砂糖をかける・かけない>

家庭でドライフルーツを作る場合、最も簡単な方法はスライサーなどで薄く切ってそのまま乾燥させる方法です。
甘味を加えて味のバランスを整えたいという場合は、乾燥前に厚めに切った果物に砂糖をまぶして水気を抜く、オーブンでの乾燥中にシロップを塗るといった方法で砂糖を加えるのもよいでしょう。抜いた水分はシロップとして使うこともできます。

作り方1 干して作るドライフルーツ

切った後は干しておくだけの昔ながらの作り方。裏返す手間がかかります。
カリカリになるまで干さず、少ししっとりしているくらいに仕上げる方が美味しいです。

干して作る

 準備するもの

・好きな果物
・キッチンペーパー
・通気性のよい網(虫が入らないもの)

 つくり方

1
果物を2~5㎜ほどの薄さにスライスし、表面の水分をキッチンペーパーで拭き取ります。
2
網の上に重ならないように並べ、直射日光のあたる風通しのよい場所に干し、様子を見て時々裏返します。
3
好みの食感になったところで完成です。

天日干しのポイント
・夜露にあたらないよう、夜間は室内に取り込みます。
・雨の日は室内に取り込みますが、なるべく晴天の日が続くタイミングを見計らって干しましょう。
・室内での保管が続くと、カビが生えてしまうことがあります。心配な場合は扇風機で風を送るなど、通気をよくしてください。
・裏返すタイミングを誤ると、網に貼りついてしまうことがあります。なるべくしっかりと水分を拭き取ったうえで、こまめに裏返すよう心掛けてください。

作り方2 オーブンで作るドライフルーツ

オーブンを利用するドライフルーツ作りは、裏返す手間が少なく、雨に当たったりカビが生えたりする心配がないのがメリット。忙しい方にはこちらがおすすめです。

オーブンで作るドライフルーツ

 準備するもの

・好きな果物
・キッチンペーパー
・オーブン

 つくり方

1
果物を8㎜ほどの厚さにスライスし、表面の水気をキッチンペーパーで拭き取ります。
2
天板にクッキングシートを敷いて重ならないように1を並べ、100℃のオーブンで30分ほど乾燥させます。
3
一度取り出して裏返し、100℃で30分ほど乾燥させます。様子を見ながら2~3を繰り返し、カリカリになる前に取り出しましょう。

オーブンで作るドライフルーツのポイント
・イメージするやわらかさに仕上げるために、何度か取り出してチェックしましょう。
・肉厚なドライフルーツを作る場合は天日干しだとカビてしまう可能性が高いため、オーブンを利用するのがおすすめです。
・水気の多いフルーツを肉厚に切った場合は最初に砂糖をまぶして水分を抜き、拭き取ってから乾燥させます。

ドライフルーツについてのQ&A

自家製ドライフルーツの賞味期限はどれくらいですか?
自家製ドライフルーツは糖分が控えめのものが多いため、特にセミドライのものについてはできるだけ早めに食べきるのがおすすめです。
自家製ドライフルーツはどうやって保存したらよいですか?
酸化とカビを避けるため、ビニール袋などに入れて密封し、冷蔵庫で保存してください。
ドライフルーツのおいしい食べ方をおしえてください。
ドライフルーツのポピュラーな食べ方として「ヨーグルトに入れて食べる」というものがあります。ヨーグルトの水分を吸ってふっくらとしたドライフルーツと水分が抜けて濃厚になったヨーグルトが楽しめる、おすすめの食べ方です。
無添加でないドライフルーツには何が入っているのでしょうか?
漂白剤や着色料、保存料が使われていることがあります。また、添加物ではありませんが市販品はオイルコーティングされているものも多いようです。
ドライフルーツが茶色くなったり、白くなったりしていますが食べられますか?
干し柿を想像していただければわかるように、ドライフルーツは糖分が結晶して表面が白くなることがあります。また、乾燥の温度や蜜の量などによっては茶色くなることもあります。漂白剤などを使っていないドライフルーツは色が茶色くなりやすいですが、食べるのには支障ありません。

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この記事を書いた人

パン作りと温泉をこよなく愛する2児の母。老後は伊豆で大きな犬と暮らすのが夢です。豆乳が好き、猫は苦手。