玄米の上手な選び方は?種類と特徴を管理栄養士がくわしく解説


記事の監修

この記事は管理栄養士の方に監修していただいています

管理栄養士

川野 恵

フリーランスの管理栄養士としてレシピ開発や栄養のコラム作成のほか、外食チェーン店でのダイエットを意識した食べ方を紹介。現在はクリニックにて、生活習慣病などに悩む方々へ栄養指導を行なっている。

玄米とは

健康のために玄米を食べようと決意したとき、多くの方が悩んでしまう玄米の選び方。

「少しでも身体に良い玄米を食べたいけれど、どれを選べばいいの?」

「自分に合う玄米が分からない!」

なんて悩んでいませんか?

せっかく買った玄米が美味しく食べられないと「自分には合わないな……」と断念してしまうことに。

栄養価の高い玄米を取り入れるのであれば、いつまでも続けられるお気に入りの玄米をみつけましょう!

そこでこの記事では、玄米の選び方のポイントをくわしく解説します。

美味しく食べる方法やおすすめの玄米なども載せているので、気になる方は要チェックです。

玄米の選び方

玄米の選び方

玄米を選ぶときのポイントは、次の5つです。

玄米を選ぶときのポイント
  • 1.美味しいと思うお米の銘柄は?
  • 2.食べやすい玄米の種類は?
  • 3.無農薬、無肥料か?
  • 4.継続して続けられる価格か?
  • 5.生産者は信頼できそうか?

この5つのポイントを押さえることができれば、玄米を選ぶときに失敗しにくくなります。

それぞれ、くわしくチェックしていきましょう。

好きなお米の銘柄

玄米は精白する前のお米なので、普段好んで食べている銘柄を選ぶことをおすすめします。

「特に銘柄は決まってないなぁ……」という方は、次の表でお米の種類と特徴をまとめているので参考にしてください。

銘柄 特徴
ミルキークイーン ・モチモチ食感
・お米の甘味が強い
朝日 ・適度な粘りと弾力
・ほんのり甘い味
ササニシキ ・粘りが弱い
・あっさりとした味
コシヒカリ ・粘りが強い
・お米の味が深い
ひとめぼれ ・粘りが強い
・あっさりとした味
ヒノヒカリ ・粘りが強くモチモチ
・お米の味が深い
ゆめぴりか ・粘りが強い
・お米の味が深い
あきたこまち ・粘りが強い
・お米の味が深い
・一粒一粒がしっかりしている

一般的に、あっさりとした味のお米の方が料理の味を引き立てやすいと言われています。

おにぎりやお弁当など、お米の味を楽しみたいという方は、味のしっかりしたものを選ぶといいでしょう。

精白米として販売されているお米のほとんどで玄米も売られています。

まずは普段食べているお米の玄米から始めてみると食べやすいです。

玄米の種類

次に紹介するのは「玄米の種類」です。

先ほどの「銘柄」とは違い、玄米の構造の違いによって種類が分けられています。

構造の違いよって分けた玄米の種類は、次の表の通りです。

種類 特徴 こんな人におすすめ
分づき米 ・玄米から糠、胚を一定量除去
・3分づき、5分づき、7分づきがある
・玄米よりも柔らかい
・玄米にチャレンジしたい方
・小さなお子さん
ロウカット玄米 ・ロウ層をカット
・吸水性が高く柔らかい
・玄米の栄養はそのまま
・主食の栄養をあげたい方
・玄米の食感が苦手な方
低アミロース米 ・アミロースの含有量が少ない
・モチモチ食感
・玄米よりも柔らかい
・もちもち食感が好きな方
・玄米の食感が苦手な方
発芽玄米 ・玄米が発芽したもの
・玄米よりも栄養価が高い
・玄米よりも柔らかい
・健康志向の高い方
・玄米の食感が苦手な方

ロウカット米は玄米の保水性を邪魔しているロウ層だけを取り除いているので、玄米の栄養はそのままに柔らかく食べやすくなります。

発芽玄米は少しだけ芽が出ている玄米であり、栄養がぎゅっと凝縮しているのが特徴。
玄米そのものよりも柔らかいので、食感も良いです。

低アミロース玄米はモチモチとした食感が人気の玄米。
お米の粘りは「アミロース」と「アミロペクチン」によって生まれていて、アミロースの割合が低くなるとモチモチ感が増します。

最後に紹介するの分づき米です。
分づき米は、3分づき・5分づき・7分づきの3種類があります。
玄米が食べにくいと感じる硬さ・ボソボソとした食感の原因になっている糠や胚を除去したものです。
数字が大きくなるほど白米に近くなります。

どれも「食べやすさを考えた玄米」というイメージですね。

無農薬・無肥料

胚や糠を取り除かない玄米は、精白している白米よりも農薬などの残量が高いと言われています。

健康のためにと思って食べ始めた玄米が農薬だらけだった……なんて嫌ですよね。

「身体への影響が心配……」

「小さい子どもが安心して食べられるものがいい」

という方は、無農薬・無肥料の玄米をチョイスするようにしましょう。

チェックするときは、農薬や化学肥料が玄米の中から検出されたかどうかの検査の実施項目を確認してください。

お米屋さんによっては放射線残量などの検査結果を公表しているところもありますし、無農薬とまではいかずとも、農薬の減量を試みている玄米もあります。

かわしま屋でも、自然の力で育てる農薬や肥料を使わずに育てた玄米を取り扱っていますので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。

取り入れやすい価格

玄米は主食として毎日食べる物ですから、継続しやすい価格のものを選ぶといいでしょう。

先ほどお伝えした「無農薬」の玄米は、高額なものが多いです。

いくら身体に良いとは言え、生活を圧迫するようでは主食として向いていると言えませんよね。

ご自身にとって続けやすい価格帯の玄米を探してみてください。

生産者への信頼性

農薬の使用の有無などを含め、信頼できそうな生産者の玄米がおすすめです。

スーパーなどで買う際はなかなか難しいですが、ネット通販であれば生産者の顔を知ることができます。

また、玄米のことに詳しいお米屋さんであれば、分からないことや気になることに親身に答えてくれるところもあります。

玄米を美味しく食べる方法などのアドバイスをくれる生産者や販売業者の方もいるので、気になる玄米があれば、まず問い合わせてみるのも1つの手ですね。

玄米は食感で選ぶと失敗しにくい

玄米は食感で選ぶと失敗しにくい

玄米の選び方を解説してきましたが、中でも玄米生活を挫折しやすい理由になりやすいポイントは「味」と「食感」です。

玄米だけで食べても美味しく食べられるような濃厚で甘い味がいいのか、おかずの味を邪魔しない淡白な味がいいのか。

自分が「食べたいな」と思う玄米はどのようなものなのか、考えてみましょう。

どのような玄米があるのか例として次で紹介しているので、気になるものは詳細をチェックしてみてくださいね。

甘味が強くモチモチ

白米に近い甘味やモチモチとした食感の玄米が食べたい方であれば、

  • ・ミルキークイーンの玄米
  • ・低アミロースの玄米
  • ・朝日還元の玄米

などがおすすめです。

冷めてしまっても美味しく食べられるのが特徴で、おにぎりやお弁当にもピッタリ。

なかでも朝日還元の玄米は無農薬・無肥料で除草剤さえも使っていないので、安全性も考慮したい方も安心できます。

あっさりとした味わい

あっさりとした淡白な玄米を探している方には、

などがおすすめです。

玄米らしい食感と味を楽しめるので、苦手な方は慣れてからチャレンジしてみてくださいね。

こちらについても、無農薬・無肥料によって大切に育てられたササニシキ玄米があります。

お米を愛している生産者のなりさわさんのササニシキ米やとことん自然農法にこだわったササニシキ玄米など、気になるものは詳細ページをチェックしてみてくださいね。

玄米を美味しく食べる方法

玄米を美味しく食べる方法

玄米を選ぶときのポイントも大切ですが、やはり美味しく上手に炊けることが玄米生活を続けるうえで重要。

玄米を美味しく食べるために、食感を良くする工夫をしてみましょう。

しっかり吸水させる

玄米はしっかりと水に浸漬させることで、吸水力をアップさせるほうが美味しいです。

夏場であれば6時間以上、冬場であれば10時間以上は水に浸けて保水量を上げてください。

玄米を洗う際に、こすり合わせるように洗うのもおすすめ。

表面に傷がつくことで水が入りやすくなり、吸水力が上昇します。

発芽させる

玄米を発芽させると栄養価と食感がさらに良くなります。

玄米を発芽させるためには長い時間水に浸す必要があるため、自然に吸水率が高くなります。

そのため、発芽玄米は玄米よりも柔らかく食感も良くなる、というわけです。

発芽玄米を作る方法は、こちらの記事を参考にしてください。

酵素玄米にする

小豆や黒豆などのお豆さんと一緒に炊く酵素玄米とは、もちもちとした赤飯のような食感が特徴です。

柔らかく食べやすいだけではなく、熟成することで栄養価もグンと引きあがっているのが嬉しいポイント。

しかし、酵素玄米は作る(「酵素玄米の作り方の基本」)にはコツと手間が要るのが難点になります。

「試してみたいな」という方は、こちらのレトルト酵素玄米をお試しください。

炊飯器は「玄米モード」で炊く

最近の炊飯器は性能が多く、玄米モードを備えているものが多いのでぜひ活用しましょう。

白米モードで炊いた場合よりも、ふっくらとした玄米になります。

ただし、炊飯前にきちんと浸漬することは忘れないでくださいね。

保水力を上げた玄米を玄米用の目盛りまで水を入れ、玄米モードで炊飯がマストです。

圧力鍋で炊く

「圧力鍋で炊くのが一番おすすめ」とおっしゃるお米屋さんが多く、炊飯器で炊くよりも短時間で芯まで柔らかい玄米が出来上がります。

炊く方法などは圧力鍋によって変わりますが、炊きあがったあとに10~20分ほど蓋を開けずに蒸らすのがポイントです。

玄米が苦手な方は分づき米がおすすめ

玄米を美味しく食べる方法

「玄米がどうしても苦手で食べられない!」

「子どもが嫌がるから困っている」

という方には分づき米から試すことをおすすめします。

分づき米は玄米よりも食べやすく、白米よりは栄養価が高い点が特徴です。

ほとんど白米と変わらない7分づき米から始め、慣れてきたら5分づき・3分づきと少しづつ玄米に近づけていきましょう。

玄米選びを失敗したくない方はお米屋さんに相談しよう

玄米の選び方まとめ

初めて玄米を買うときは、どれにしたらいいのか迷ってしまいますよね。

選ぶ際のポイントを復習すると以下の通りになります。

玄米を選の選び方まとめ
  • ・好きなお米の銘柄の玄米を選ぶ
  • ・玄米の種類で選ぶ
  • ・玄米の安全性で選ぶ

「ポイントは分かったけど、結局どれを頼んだらいいのか分からないよ」というときは、お米屋さんや気になる商品の販売業者に相談するのが一番です。

また問い合わせることで、どのような会社の方が売っているのか人間性や会社の雰囲気を知ることもできます。

対応が良いところであれば見えない相手でも「信頼」は生まれますよね。

美味しい玄米に出会って、健康的な食生活を手に入れましょう。

●管理栄養士からのコメント

玄米は食感や香りが独特なので「食べにくいな」と感じる方も多いですよね。
食物繊維やビタミン・ミネラルが多いので、玄米は血糖値や血中脂質の値が気になる方にもおすすめの食材です。
すでに玄米にチャレンジして苦手意識が強い方は、分づき米や低アミロース玄米を試してみると食べやすく感じることが多いです。
また玄米だけではなく、白米やもち麦などと一緒に炊くのもおすすめ。
発酵玄米や発芽玄米なども玄米そのものよりは柔らかく仕上がるので、玄米の食感が合わない方は試す価値ありますよ。
「少しでも食事で栄養を摂りたいな」と考えている身体想いの方は、ぜひ玄米生活にチャレンジしみててくださいね。

川野恵

管理栄養士プロフィール

◎川野 恵

給食委託会社や仕出し弁当屋での献立作成を経験後、出産を機にフリーランスとして活動。
フリーランスの管理栄養士としてレシピ開発や栄養のコラム作成のほか、外食チェーン店でのダイエットを意識した食べ方を紹介。現在はクリニックにて、生活習慣病などに悩む方々へ栄養指導を行なっている。

身体は食べ物でできている事を意識し、健康で過ごせるよう多くの方を支えていける管理栄養士になりたいと日々活動しています。
SNSやブログを通して、
・管理栄養士として栄養指導に携わりたい!
・血圧や血糖など血液結果を注意された!
・美味しく食べてきれいに痩せたい!
という悩みを解決するための情報を発信しています。

▼Twitter
@kawa040508

玄米についてのQ&A

玄米はどれが一番栄養価が高いのですか?
発酵玄米や発芽玄米は、通常の玄米よりも栄養価が高いとされています。
健康のためには、玄米にしないとだめですか?
栄養を補給できるものは玄米だけではありませんので、主食は白ご飯のままでおかずの栄養価を維持できれば大丈夫です。白米は糖質がメインで他の栄養素が少ないので、玄米に置き換えれば主食の栄養価を上げることはできます。
美味しい玄米の見分け方が知りたいです。
玄米の美味しい・美味しくないは個人差があるので食べてみるしかありません。ぜひいつも愛食しているお米のブランドの玄米から試してみてください。
玄米は農薬だらけで危険だと聞きましたが、本当ですか?
農薬や肥料の使用に気をつけながら栽培された玄米も多く販売されています。心配な方は選ぶときに「無農薬か?」「化学肥料は使っていないか?」などを確認するといいでしょう。

おすすめの玄米

かわしま屋取扱い商品をご紹介いたします。




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この記事を書いた人

コンテンツ、写真撮影担当。暇があったらキッチンで発酵食品や保存食品を作ったり、写真を撮ったりしています。趣味は一人で映画に行くこと。