ミューズリー|美味しい食べ方・選び方、栄養素などご紹介

記事の監修

この記事は管理栄養士の方に監修していただいています

管理栄養士

影山敦久

管理栄養士、栄養教諭。子どもからお年寄りまで幅広い年代の方に栄養指導や料理教室を行うかたわら、特定保健指導にも携わる。得意分野はダイエットとスポーツ栄養。

名前は聞いたことがあるけど、ミューズリーって一体何だろう?
あわせて、正しい選び方や健康効果、アレンジレシピを知りたいと考えていませんか。

本記事では下記について解説します。

ミューズリーとは

ミューズリー

ミューズリーとは、オーツ麦を中心にして、ナッツおよびドライフルーツなどを加えたシリアル様の食べ物のことです。
始まりは1900年代で、スイスの医師が患者のために考案したといいます。
現在では世界各国で食べられており、低カロリーでダイエットにも適しています。
詳しくは後述しますが、ミューズリーはそのまま食べても良いですし、さまざまなアレンジレシピがあります。
ミューズリーの魅力は栄養が豊富な点と、手軽に食べられることが人気の秘密だと言えます。

ミューズリーとオートミールとの違いとは?

ミューズリーとオートミールは見た目が似ていますが、大まかな違いとしては、オートミールは基本的な材料がオーツ麦のみですので、ミューズリーとともにヘルシーな食品です。

オートミールのおいしい食べ方とアレンジレシピ|豊富な栄養、気になるカロリーは?

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今回は、オートミールの食べ方やレシピを詳しくご紹介。
栄養やカロリーなど、気になる情報をまとめてお知らせします。

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ミューズリーとグラノーラとの違いとは?

ミューズリーとグラノーラの一番の違いは、グラノーラはオーツ麦にメープルシロップやナッツを加えてからオーブンで焼いたものです。
ミューズリーやオートミールよりは甘みがあり、食べやすいですが、高カロリーになるという特徴がありますのでダイエットには不向きです。

ミューズリーの栄養成分

栄養成分

ミューズリーの栄養成分として特徴的なのが、ビタミンEをはじめとした各種ビタミン、鉄分やカルシウムを代表とした各種ミネラル成分、さらに便秘にも効果的な水溶性や不溶性の食物繊維です。
ビタミンEは抗酸化ビタミンとして知られ、アンチエイジングに効果的ですし、鉄分は女性に多い鉄欠乏性貧血、カルシウムは骨粗しょう症対策に有効です。
食物繊維は便秘改善効果だけではなく、コレステロール上昇抑制作用、腸内環境の改善による美肌効果も期待できますので、日々の食事に取り入れていきたい食品の1つですね。

ミューズリーの正しい選び方

選び方

ミューズリーは、たくさんの製品が販売されていますが、どれがおすすめなのでしょうか。
味の好みや価格で選んでも良いのですが、ここでは正しい選び方を3点ご紹介します。

・オーガニックかどうか

言うまでもありませんが、農薬等を使用していない原材料の方が健康的でおすすめです。
有機栽培は手間がかかりますので、価格が高めですが、その分安全性に信頼がおけるので、できればオーガニック製品を選びたいものです。

・砂糖不使用かどうか

本来のミューズリーは甘みを加えていないものが多いのですが、最近では食べやすくするためにあえて砂糖やシロップを加えているものもあります。
ですが、砂糖は腸内環境を悪化させる原因の1つになりますので、せっかく食物繊維を摂取したとしても、健康効果が薄くなってしまいます。
甘みが無くて食べにくい場合は、カロリーの低いシロップタイプのオリゴ糖をかけても良いでしょう。

・原材料はどうか

ミューズリーと一言でいっても、原材料の配合割合が違う、さまざまな製品があります。
比較的オーツ麦やナッツの健康効果が立証されている文献が多いので、それらの配合割合が多い製品を選ぶと良いでしょう。

ミューズリーの健康効果

健康効果

ミューズリーの健康効果は主に4つあります。
順番に解説していきます。

健康効果1 糖尿病のリスクを下げる可能性

糖尿病

まだまだ研究段階であり、研究者の間でも意見がわかれていますが、ミューズリーのような全粒穀物を摂取することで、2型糖尿病のリスクを10%程度減らせるという研究結果があります。
EFSA(欧州食品安全機関)でも、食後の血糖値の上昇を抑えるという働きが認められています。
糖尿病は、1型と2型に分けられています。
1型糖尿病は、免疫システムに異常をきたすことで、すい臓から分泌される血糖値を下げる働きのあるインスリンというホルモンがきちんと分泌されないために、高血糖状態が続いてしまうので、インスリンの自己注射を必要とします。
2型糖尿病は食べ過ぎや運動不足、遺伝などが原因で、インスリンの分泌が一定量あったとしても、血中の糖が正常に細胞へと利用されないので高血糖状態が続いてしまいます。
日本人の多くは2型糖尿病といわれていますので、定期的な運動やバランスのとれた食事をすることが糖尿病だけではなく、生活習慣病全般の予防にとって必要不可欠です。
糖尿病が進行してしまうと、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、神経障害や脳卒中、心臓病へのリスクにもつながってしまいます。

 

全粒穀物摂取量の増加は、中年男性と女性の2型糖尿病のリスク低下と関連しています:デンマークの食事、がん、および健康コホート
https://pmc.carenet.com/?pmid=30016529#
穀類に含まれる食物繊維の特徴について
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience/49/5/49_297/_pdf/-char/ja
厚生労働省
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-048.html

健康効果2 さまざまな病気のリスクが低下する可能性

病気

まだまだ研究段階であり、研究者の間でも意見がわかれていますが、ミューズリーのような全粒穀物を摂取することで、さまざまな病気のリスクが低下するという研究結果があります。
具体的には、1日16g摂取すると、死亡リスクが7%下がり、1日48g摂取すると20%低下するというものです。
さらに1日90g摂取すると、感染症や呼吸器疾患、がんや心血管疾患などの死亡リスクが下がるというものが、論文の中の論文といわれるメタ分析で報告されています。
ただ、ミューズリーさえ定期的に食べていれば、病気にならないというのは早合点です。
ミューズリーは豊富な食物繊維や良質な脂質も含まれていますが、人間が健康に生きていくための栄養がすべて含有しているわけではありませんので注意が必要です。
特定のものだけを食べていくのではなく、バランスのとれた食事を継続していくことが、健康寿命を伸ばしていくうえで、最重要と言えるでしょう。
毎日の食習慣から心がけていきたいものです。

 

穀類に含まれる食物繊維の特徴について
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience/49/5/49_297/_pdf/-char/ja

健康効果3 コレステロールの吸収を抑える

コレステロール

EFSA(欧州食品安全機関)では、ミューズリーに入っているオーツ麦の摂取により、血清コレステロールの正常化の表示を認めています。
ニュージーランドやオーストラリアに設置されているFSANZ(食品基準機関)でも、コレステロールの吸収を抑える効果を認めています。
日本における報告についても、血清総コレステロールの値が下がっているというものがあります。
決め手はβグルカンと呼ばれる食物繊維が作用しています。
食物繊維は確かにコレステロールの吸着作用があり、体内へのコレステロールの吸収を抑えますが、オーツ麦のβグルカンでも実証されています。
コレステロール自体が矢面に立たされることが多くありますが、実際コレステロールは細胞膜に含まれている必要不可欠な成分の1つです。
細胞膜以外にもホルモンや胆汁酸の成分にもなるのですが、その多くは体内で合成されています。
食事から摂取するコレステロール値は全体のおよそ2割程度といわれています。
実際、食事からのコレステロール量が減ると、肝臓では足りない分の合成が進み、反対に食事からのコレステロール量が増えると肝臓での合成量が少なくなりますので、きちんと体内でバランスがとられています。
ただ、日本人の食事摂取基準には脂質異常症の予防の観点から、コレステロール量を1日に200mgまでというように制限を設けています。
普段の食生活では、コレステロールが足りないという食事ではなく、むしろ多く摂取しすぎているという、現代の食生活事情が考慮されていると考えられます。
コレステロールを敵にまわすのではなく、味方につけて、よりよく健康に生きていくための選択肢の一つとして、ミューズリーを食生活に取りいれるのもおすすめです。

 

穀類に含まれる食物繊維の特徴について
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience/49/5/49_297/_pdf/-char/ja
厚生労働省
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-012.html

健康効果4 抗酸化作用

抗酸化作用

ミューズリーに豊富に含まれているビタミンEは、体内の活性酸素を除去する抗酸化作用として働きます。
活性酸素は呼吸することで自然に作られ、免疫機能に寄与する一方、過剰に発生しすぎると細胞自体を攻撃してしまいます。
細胞の機能が正常ではなくなると、がんや動脈硬化、老化につながっていきます。
さらに、年齢を重ねるごとに体内の活性酸素を除去するシステムも衰えていきますので、余計にダメージを受けやすくなります。
この活性酸素を除去してくれたり、働きを抑制してくれるのがビタミンEです。
美容にも良いビタミンEをヘルシーにミューズリーで摂取するのもおすすめです。

 

厚生労働省
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-008.html

ミューズリーの食べ方って?簡単アレンジレシピ

ミューズリーの良い点は、手間のかかる料理ではなく、手軽に食べられることです。
ミューズリーのお手軽さを応用した上でのアレンジレシピを2つご紹介します。

フローズンミューズリー

毎日のミューズリーに飽きてきたら、ヨーグルトを加えて凍らせることで、味や食感に変化をつけます。
カチコチだと食べにくいので、ほどよいシャーベット状にするのがおすすめです。
材料1人分
調理時間6時間冷凍時間含む

フローズンミューズリー

 材料

ミューズリー
60g
ヨーグルト
70g

 つくり方

1
ミューズリーとヨーグルトを合わせて冷凍保存します。

ヘルシーサラダ

サラダにミューズリーを加えることで、サラダのシャキシャキ感との違いを味わうことができます。
シーザーサラダに入れるクルトンのかわりに、ミューズリーを加えても美味しいです。
材料1人分
調理時間5

ヘルシーサラダ

 材料

ミニトマト
4個
レタス
4分の1玉
パプリカ
2分の1個
チーズ
10g
ミューズリー
大さじ2

 つくり方

1
レタスを食べやすい大きさにちぎります。
2
パプリカも食べやすい大きさに切ります。
3
1と2にミニトマト合わせて、チーズとミューズリーをふりかけて完成です。

ミューズリーについてのQ&A

ミューズリーについてよく聞かれる疑問をQ&A方式でお答えしていきます。

ダイエットにも効果的ですか?
ミューズリーは低カロリーな上に、ビタミンやミネラルも豊富なのでダイエットに効果的です。
どのミューズリー製品がおすすめですか?
価格や好みで選んでも良いですが、オーガニックや砂糖不使用、原材料の違いなどに目を向けて選ぶと良いでしょう。
いつ食べたら良いですか?
摂取カロリーを減らせたり、コントロールしやすいという意味でも、夜に食べると良いでしょう。
おすすめの食べ方は前述のレシピを参考にしてみてください。
甘みが無いと食べにくいです
はちみつをかけても良いですが、オリゴ糖のシロップをかけるのが低カロリーでおすすめです。
肌にも良いですか?
各種ビタミンや食物繊維が豊富に含まれているので、肌にも良いでしょう。

●管理栄養士からのコメント

ミューズリーとは、オーツ麦を中心として、ナッツやドライフルーツを加えたものです。
オートミールやグラノーラとの違いは甘みを加えていたり、加熱調理しているかどうかです。
ミューズリーの栄養成分は、ビタミンEや鉄分、カルシウムや食物繊維が豊富に含まれていますので美容やダイエットにも効果的です。
ミューズリーの正しい選び方は、オーガニックか砂糖不使用か、または原材料としてナッツやオーツ麦の割合が多いもの、という点です。
ミューズリーの健康効果は主に下記の4つです。

  • ・糖尿病のリスクを下げる可能性
  • ・さまざまな病気のリスクが低下する可能性
  • ・コレステロールの吸収を抑える
  • ・抗酸化作用

前述したレシピを参考にして、健康増進やダイエットなどの美容目的に、低カロリーでヘルシーなミューズリーを取り入れてみてはいかがでしょうか。

稲尾 貴子

管理栄養士プロフィール

◎影山敦久

管理栄養士、栄養教諭。子どもからお年寄りまで幅広い年代の方に栄養指導や料理教室を行うかたわら、特定保健指導にも携わる。得意分野はダイエットとスポーツ栄養。

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この記事を書いた人

パン作りと温泉をこよなく愛する2児の母。老後は伊豆で大きな犬と暮らすのが夢です。豆乳が好き、猫は苦手。