有機・自然農法で「当たり前」を貫く:宮城・涌谷町の黒澤ライスサービスが実現する唯一無二の米作りを取材

2025年7月6日、宮城県涌谷町に拠点を構える「黒澤ライスサービス」を訪問し、唯一無二の米作りと革新的な経営哲学について取材を行いました。
当日は、採れたてのお米で握られたおにぎりと味噌汁が振る舞われ、その温かなおもてなしからは、黒澤ライスサービスが追求する「当たり前」の品質と、生産者の真心が感じられました。
生産者紹介|4代にわたる有機農法と「型破り経営」

黒澤ライスサービスは、黒澤伸嘉さんが4代目を務める歴史ある米農家です。曽祖父の代から有機栽培を始めており、先進的な農法を代々継承してきました。父・黒澤重雄氏の代より、農業経営のあらゆる工程を独自の手法で確立。政府の減反政策による補助金を一切受けず、JA(農業協同組合)との取引も行わないという“補助金ゼロ・JAルートゼロ”の経営スタイルを貫いています。
かつてはJAから敬遠される存在でしたが、現在ではJA幹部から農地管理の依頼を受けるほど信頼を築いています。管理する耕地面積は300ヘクタールを超え、涌谷町を中心に、20kmにもおよぶ広大な農地を日々巡回しています。
訪問で体感した「当たり前」の質の高さ

今回の訪問では、黒澤さんのあたたかなご厚意で、自家製のおにぎりとお味噌汁をいただきました。ひと口食べると、おにぎりの粒はふっくらとほどよく立ち、やさしい甘みがじんわりと広がります。どこか懐かしい、昔ながらの自然な味わいに感動しました。黒澤さんは「当たり前のことをしているだけ」と謙遜されていましたが、その言葉の奥には、真摯に米作りと向き合ってきた年月が感じられます。
味噌汁も非常に美味しく、その素朴で奥深い味わいは、日々の丹精込めた米作りがもたらす恵みを物語っているようでした。
【新米】有機玄米 つや姫5kg(宮城県産)|栽培期間中農薬・化学肥料不使用【2025年度産】-かわしま屋-
「お米はおひさまと水の恵み」をモットーに、堆肥作りにも力を入れた自然農法で栽培した玄米・つや姫です。出荷直前に籾すりを行うことで、採れたての風味や香りを損なうことなく最高の鮮度でお届けします。
7389 円(税抜)
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かわしま屋の商品を見る >>自然農法・無農薬にこだわる、黒澤ライスサービスの米作り哲学

黒澤ライスサービスの米作りの根底にあるのは、「お米はおひさまと水の恵み」という哲学です。この哲学を軸に、化学肥料を使わず、自ら堆肥作りにも力を入れた自然農法、無農薬栽培を徹底しています。特に、家畜の餌に何が含まれているか分からないという理由から、近代的な畜産施設から出た家畜糞尿は一切使用しないという徹底したこだわりを持っています。寒冷地では難しいとされる酒米「山田錦」を特別な対策をせずに栽培可能なほどに、肥力が高く健康な土壌です。
また、稲を植える際には、稲同士が「喧嘩しない」ように十分な空間を確保するという独特の栽培法を実践しており、これにより稲のストレスを軽減し、健康な生育を促しています。
黒澤ライスサービスは、GLOBALG.A.P.認証を2019年12月11日に取得しており、これは宮城県のコメ生産者では第一号となります。また、有機JAS認証や県の特別栽培認証(無・無)も受けていますが、彼らの栽培方法は認証基準よりもさらに徹底されています。
【新米】有機玄米 ひとめぼれ 5kg(宮城県産)|栽培期間中農薬・化学肥料不使用(2025年度産)-かわしま屋-
「お米はおひさまと水の恵み」をモットーに、堆肥作りにも力を入れた自然農法で栽培した玄米・ひとめぼれです。出荷直前に籾すりを行うことで、採れたての風味や香りを損なうことなく最高の鮮度でお届けします。
7389 円(税抜)
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かわしま屋の商品を見る >>丹精込めて育てられる多様な米品種
黒澤ライスサービスでは、食用米から酒米まで、多様な品種のお米を栽培しています。この多品種栽培は、天候不順などによる収穫減のリスクを分散し、安定供給を可能にするためのリスクヘッジでもあります。 主な品種は以下の通りです。
| 品種 | 概要 |
|---|---|
| つや姫 | 食味のバランスが良く、粘りが強すぎず、飲食店などでのスタンダードな品種として人気 |
| ひとめぼれ | 主力品種の一つ |
| コシヒカリ | 根強い人気を持つ定番品種 |
| ササニシキ | アトピー体質の方など、特定の顧客層に強く支持されている希少品種。そうした顧客のために、ササニシキのみを販売することも。 |
| みやこがねもち | 日本一のもち米と称される品種で、みりんの原料としても使用される。黒澤ライスサービスでは、年間約2000俵(60トン)もの生産量を誇る品種。 |
| だて正夢 | 宮城県で推奨される新品種の一つ |
| おもてなし米(極早稲米) | 宮城県内で最も早く食べられる新米で、収穫は8月14日には完了し、即完売するほどの人気品種。 カブトエビが生息する清らかな水と澄んだ空気の中で、自然農法により丹精込めて育てられており、「もてなす」という優しい心づかいが込められている。 |
長期的な信頼関係を最重視する姿勢
黒澤さんの特筆すべき点は、取引先の方々との長期的な信頼関係を最重視する姿勢にあります。彼らは、短期的なコスト削減よりも、多角的に信頼できるパートナーを増やしていくことが持続可能な農業経営にとって得策であると考えています。この哲学は、黒澤伸嘉氏の「特に変わったことをしている訳ではないんですよ。当たり前のことを当たり前のようにやっているだけ」という言葉にも集約されています。
彼らが築き上げる強固なパートナーシップの例は多岐にわたります。
| 保育園 | 黒澤ライスサービスから提供された「おもてなし米」を、宮城県内で最も早く新米として食べており、園児たちが幸せそうな表情でおにぎりを食べる様子は、米の美味しさと生産者の思いが伝わる光景です。 |
|---|---|
| 割烹 | 近隣の割烹の一つでは、黒澤ライスサービスの新米を使った寿司が提供されています。 |
| 金の井酒造(「綿屋」蔵元) | 地元の銘酒「綿屋」の純米大吟醸の酒米として、黒澤さんにしか作れない「山田錦」を提供しており、その日本酒のラベルには「黒澤米 山田錦」と明記され、ブランド価値を高めています。 |
これらの関係は単なる取引ではなく、互いを尊重し、支え合う長期的なパートナーシップが構築されている良い例と言えます。
安定供給への挑戦と将来

黒澤ライスサービスでは、収穫後の米を籾のまま貯蔵し、出荷直前に籾すり・検査を行うことで、年間を通じて新米に近い鮮度を保った状態で供給しています。
また、変化の激しい農業の世界においても、信頼できるパートナーを多面的に増やす姿勢を貫き、持続可能な農業の未来を見据えています。 「現場で汗を流して作るのはもちろんですが、お客様はそれを扱ってくれるだけでいいんです」という言葉からは、生産者とお客様、そしてお米の流通に関わる全ての人々が互いを尊重し、支え合うことで持続可能な農業が実現するという姿勢が感じられました。

