食物繊維たっぷりの寒天を食べよう!|ダイエットレシピもご紹介

寒天とは?

寒天とは?

寒天ゼリーなどはスーパーやコンビニでも手に入りやすく、寒天を使った料理を作っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

身近にある日本のオリジナル食材、寒天についてみていきましょう。

寒天の歴史

平安時代に中国より伝えられたところてんから、寒天が生み出されるのは江戸時代のこと。

旅館の主人がところてんを外に放置しておいたことが、寒天誕生のきっかけだったとされています。

寒さで凍ったところてんが日中の日差しで溶け、数日かけて自然乾燥。こうしてできあがった、いわゆる「ところてんの乾物」が寒天と命名され、広まったのです。

気候風土が適していたことから、長野県諏訪地方の農家を中心に、閑散期の副業として寒天が作られていました。

現在では食用としてだけではなく、オブラートの原料や細菌培養基など、医用・科学分野でも広く使用されています。

寒天の原材料と種類

寒天は天草やオゴノリなどの海藻を煮て、その粘液を凍らせた後に乾燥させたものです。

寒天には3種類あり、形状や使い方が異なります。

・棒寒天:棒状になっており、必要な量をちぎって使います。水に浸してやわらかくする下準備が必要。火にかけて煮溶かして使います。主な産地は、長野県茅野市をはじめとする諏訪地方。

・糸寒天:ところてんを乾燥させた、糸状のもの。水に浸してやわらかくする下準備が必要。火にかけて煮溶かしたり、糸状のまま料理に使われたりします。主な産地は岐阜県。

・粉寒天:棒寒天や糸寒天を粉末状にしたもの。計量しやすく、下準備で水に浸す必要がありません。水に溶けやすく、棒寒天・糸寒天と比べて短い時間で煮溶かせます。各地の工場で生産。

料理の用途や好みに応じて、3種類の寒天を使い分けられるのも魅力の1つです。

寒天の保存方法と賞味期限

寒天は乾物なので、直射日光や湿度に気を付けると、長期間の常温保存が可能です。

しかし、寒天を煮溶かしたり料理に加えたりして加工した場合は、保存がききません。

冷蔵庫で保管し、2~3日で食べきるようにしましょう。

寒天とゼラチン、アガーの違い

寒天とゼラチン、アガーの違い

デザートで使われる固めるための食材には、寒天のほか、ゼラチンとアガーがあります。

できあがったデザートの感じはどれも似ていますが、一体何が違うのでしょうか?

寒天とゼラチン、アガーはどう違うのか

寒天 ゼラチン アガー
原材料 テングサ(海藻)やオゴノリ(海藻) 牛や豚の皮・骨 スギノリ(海藻)やツノマタ(海藻)
主成分 食物繊維 タンパク質(コラーゲン) 食物繊維
カロリー 100gあたり約3kcal 100gあたり約344kcal 100gあたり約67kcal
色・透明度 白濁 薄くクリームがかった透明 光沢のある、クリアな無色透明
食感 ホロリと歯切れのよい、なめらか食感 口溶けがよく、やわらかくてぷるぷるとした食感 ぷるん、ツルンとした食感
固まる温度 約30~35℃(常温で固まる) 約15~20℃(冷蔵庫で冷やし固める) 約30~40℃(常温で固まる)

寒天とアガーは植物性原料なのに対してゼラチンは動物性原料を使用しており、主成分も異なります。

また、寒天とアガーは常温では溶けませんが、ゼラチンは常温では形が崩れてしまいます。

食感はそれぞれ異なり、カロリーの違いも気になるところ。

寒天・ゼラチン・アガーは似ているようで違う食材だということを、おわかりいただけると思います。

ゼラチン、アガーは寒天の代わりになるか

使用する分量は異なりますが、ゼリーなどのレシピによっては、ゼラチンもアガーも寒天の代用として使うことは可能です。

しかし、原料や食感、固まる温度、口溶けなど、さまざまな点に違いがあります。やはり料理やレシピ、好みに応じて使い分けるのがおすすめです。

寒天の栄養と健康効果

寒天の栄養と健康効果

寒天は生活習慣病の予防・改善効果をはじめとして、さまざまな健康効果で注目を集めている食材です。

寒天のもつ健康効果を、現在研究中のものも含めて紹介します。

寒天は食物繊維が豊富なヘルシー食材

寒天の成分は8割ほどが食物繊維、残りは水分と微量のミネラルやカルシウム・カリウムなどです。

この豊富な食物繊維には、次のような性質をもつ、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれています。

【水溶性食物繊維】
・水に溶けてどろどろとしたゲル状になり、便をやわらかくする
・腸内での糖や脂肪の吸収を遅らせる
・善玉菌の餌になりやすい
【不溶性食物繊維】
・水に溶けず、便のかさを増やす
・腸壁を刺激して腸の運動を活発にさせ、便通を促す

この2種類の食物繊維がお互いに作用し合い、さまざまな健康効果をもたらすのです。

また、寒天のカロリーは100gあたりわずか3kcalで、ほぼノンカロリー。

寒天は、健康効果の高い食物繊維が豊富なヘルシー食材といえます。

寒天の健康効果1 便秘解消

寒天に含まれる食物繊維は、水分をたっぷり吸収して膨らみます。

そして便のかさを増すと同時にやわらかくし、スムーズな排便を促すのです。

 

便秘解消

寒天の健康効果2 食べ過ぎ防止

寒天の食物繊維は特に保水力が強く、約100倍もの水分を吸収する性質をもっています。

胃の中で食物繊維が膨らむため、満腹感が得やすく、食べ過ぎを防いだり食事量を減らしたりするのに効果的です。

また、膨らんだ食物繊維は糖質の吸収を緩やかにするため、満腹感も続きます。

 

食べ過ぎ防止

寒天の健康効果3 血糖値の上昇を抑える

水分をたっぷり含んで膨らんだ食物繊維は、腸内での糖の吸収スピードを遅らせます。

そのため、血糖値の上昇を緩やかにしてくれるのです。

 

血糖値の上昇を抑える

寒天の健康効果4 コレステロール値を下げる

寒天がコレステロール値を下げる理由は、食物繊維が余分な脂肪を吸着して体外に排出することと、胆汁酸の再吸収を抑えることだろうと考えられています。

コレステロールは体内で、消化液の1つである胆汁酸の材料となります。この胆汁酸は腸壁から吸収され、コレステロールへと再生産されるのです。

腸内で膨らんだ食物繊維は胆汁酸を吸着し、体外に排出します。

そのため腸壁から吸収される胆汁酸の量が減り、コレステロール生成の原料も減少。

結果として体内のコレステロールが減少し、コレステロール値も下がるのです。

 

コレステロール値を下げる

寒天の健康効果5 血圧を下げる

高血圧になる大きな要因とされるのが、肥満や高血糖です。

ここまでで見てきたように、食物繊維には食べ過ぎを防ぎ、血糖値の上昇を抑える働きがあります。

そして寒天はほぼノンカロリー。肥満や高血糖が改善することにより、結果として血圧も下がるのです。

 

血圧を下げる

寒天ダイエットとは?

寒天ダイエットとは?

寒天が持つ健康効果は、ダイエットにも有効です。

寒天ダイエットの方法と注意点について、ご紹介します。

寒天にダイエット効果を期待できる理由

寒天は保水力の高い食物繊維を豊富に含み、ほぼノンカロリーのヘルシー食材です。

  • 摂取カロリーを抑えられる
  • 満腹感が得やすく、食事量を減らせる
  • 糖の吸収スピードを遅らせることにより、血糖値の急上昇を抑えられ、脂肪が付きにくい

寒天を食べることでこのような効果を得られるため、ダイエットを期待できます。

また食物繊維は、体内の老廃物や有害物質を絡め取って体外に排出します。

腸からデトックスされるため、肌トラブルの軽減効果も期待できるのです。

寒天ダイエットの方法

寒天のダイエット効果を取り入れるには、主に2つの方法があります。

食事の前に寒天を食べる

食事量を減らすために、食事の30分ほど前に寒天を食べる方法です。

食事の前に寒天が胃で膨らみ、早く満腹感を得られます。

水分と一緒に、よく噛んで食べましょう。

毎食できるといいのですが、できない場合は、夕食前だけ食べるのがおすすめです。

夜は寝る前の時間帯のためエネルギーを消費しにくく、摂取カロリーを抑えることが効果的なダイエットにつながります。

料理に寒天を入れて食べる

ほぼノンカロリーの寒天で料理のかさ増しをすることにより、摂取カロリーを減らせます。

寒天は味がないので、料理の味付けの邪魔にならず、料理に加えやすい食材です。

寒天ダイエットの注意点

寒天をたくさん食べるとダイエット効果が上がるかというと、そうではありません。

食べ過ぎてしまうとダイエットどころか、健康を損なってしまうこともあります。

水分をたっぷり摂る

寒天には水分をたっぷり吸収する性質があるため、食べ過ぎると水分補給が追いつかなくなります。

その結果、消化不良になったり便通が悪くなったりする可能性も。

寒天を食べたら水分をたっぷり摂るということをセットで行いましょう。

1日の摂取量内で食べる

寒天の1日の摂取量目安は約6gとされています。

一回の摂取量を多くせず、数回に分けて摂るのがおすすめです。

一回で大量に食べると水分補給が追いつかなくなったり、体に負担がかかったりしてしまいますので、注意しましょう。

他の食材もバランスよく食べる

ダイエットにいいからといって寒天ばかり食べていると、必要な栄養分を摂取できず、体に負担がかかってしまいます。

寒天は食物繊維は多いものの、他の栄養分は少ししか含まれていません。

普段の食事に寒天を少しプラスするという感覚で行い、健康的なダイエットを目指しましょう。

寒天の食べ方レシピ

代表的な料理からアイディア料理まで、寒天のおいしい食べ方をご紹介します。レシピどおりに作ったのにうまく固まらないというときも、焦る必要はありません。

牛乳寒天

小さなお子様からご年配の方まで、人気の高いデザートです。簡単レシピなので、手軽に作れます。
材料4人分
調理時間30

牛乳寒天

 材料

・粉寒天
8g
・牛乳
600ml
・ハチミツまたは砂糖
大さじ4
・好みのフルーツ
適量

 つくり方

1
牛乳と粉寒天を鍋に入れて、火にかけます。沸騰したら1~2分ほどかき混ぜながらしっかり煮溶かします。焦がさないように気を付けましょう。
2
粉寒天がしっかり溶けたら火を止め、はちみつ(砂糖)を加えて混ぜます。
3
フルーツと一緒に②を容器に入れて固めます。

●水200mLに粉寒天2gがスタンダードな固さです。
水200mLに粉寒天4gにすると、プリプリした歯ごたえに。
水200mLに粉寒天1gにすると、ゆるゆるしたやわらかい固さに仕上がります。

 

寒天ヨーグルト

水でふやかしてから煮溶かすという手間がかかりがちな棒寒天。ヨーグルトに漬け込むだけでおいしく食べられるアイディアレシピです。
材料1人分
調理時間5

寒天ヨーグルト

 材料

・棒寒天
10g
・ヨーグルト
90g

 つくり方

1
棒寒天を軽く水で洗い、水気をしっかり絞ります。
2
食べやすい大きさにちぎってヨーグルトと混ぜ、冷蔵庫で8時間ほど漬け込みます。

●棒寒天1に対してヨーグルト9の割合です。
完成した寒天は、はちみつや黒蜜をかけてデザートにしたり、サラダに加えたりして楽しめます。

 

寒天味噌汁

水でやわらかくした糸寒天をそのまま料理に使う、手軽なレシピです。手間いらずで時間もかからず、いつもの料理に簡単に寒天を加えられます。
材料1人分
調理時間15

寒天味噌汁

 材料

・糸寒天
10g
・味噌汁
1杯分

 つくり方

1
糸寒天を軽く水で洗ってから、10分ほど水に浸してやわらかくします。
2
水気を切って、サラダやスープ・味噌汁などに入れます。

●スープや味噌汁などの温かいものに加えるときは、必ず器によそってから入れましょう。
糸寒天が熱で溶けてしまいます。

寒天が固まらないときの対処法

寒天が固まらないときの対処法

牛乳寒天のように寒天を煮溶かして使ったときに、うまく固まらずに困ったことはありませんか?

原因と対処法さえわかれば、やり直しができます。

固まらないからとあきらめる必要はありません。

果汁100%ジュースや果物など、酸の強いものを使っている

酸の強い果物やお酢などには、寒天の繊維をバラバラにさせ、固まらなくさせる性質があります。

そのため果汁100%のジュースなど、酸の強いものと一緒に煮溶かすと、固まらなくなったり固める力が弱くなったりしてしまうのです。

水で煮溶かした寒天液を別に作り、火を止めてから、温めたジュースを加えたりフルーツを加えたりしましょう。

ジュースなどの液体を多く加えている場合は、弱火からゆっくり再加熱して液体に戻し、火を止めてから、別に作った寒天液を加えてよく混ぜると固まるようになります。

果物を加えている場合は果物を取り出し、寒天を加えて再加熱して、火を止めてから果物を再度加えるとうまくいきやすいです。

寒天が溶けきっていない

寒天が溶けきっていないと、固まりにくくなったりダマになったりしてしまいます。

弱火からゆっくりと再加熱して、しっかり煮溶かしましょう。

粉寒天を使っている場合は、沸騰後弱火にして2分以上しっかり加熱するとうまくいきやすいです。

寒天の量が足りない

水などの液体に対する寒天の量が少ないと、うまく固まりません。

寒天を加えて再加熱し、しっかり煮溶かして混ぜ合わせましょう。

煮溶かした寒天液に、ジュースなどを冷たいまま加えている

煮溶かしたアツアツの寒天液に冷たい液体を加えると、全体の温度が下がってしまい、寒天液が分離してしまいます。

寒天液にジュースなどを加えるときは、必ず温めてから加えるようにしましょう。

弱火からゆっくり再加熱して寒天を加え、しっかり煮溶かすとうまく固まります。

ジュースなどの酸の強いものを加えている場合は、寒天液を追加するのがおすすめです。

弱火からゆっくりと再加熱して液体に戻し、火を止めてから別に作った寒天液を加えてしっかり混ぜ合わせましょう。

寒天を食べても便秘が解消しない、寒天を食べ過ぎて便秘になるのはなぜ?

寒天を食べても便秘が解消しない、寒天を食べ過ぎて便秘になるのはなぜ?

「便秘を解消したいのに効果が現れない」、「寒天を食べたら便秘になった」という経験はありませんか?

寒天には便秘解消効果があるのに、なぜなのでしょう。

寒天は水分の摂取量が少ないと便秘になりやすい

寒天は高い保水力のある食材です。

胃や腸を通りながら、どんどん周りの水分を吸収していきます。

このときに胃や腸の中の水分量が少ないと便がやわらかくならず、逆に便の水分を吸収して固くしてしまうのです。

寒天を食べるときの注意点

寒天はたっぷりの水分を一緒に摂らなければ、便秘解消効果を発揮できません。

またおいしいから、体にいいからといって、大量に寒天を食べるのもよくありません。

]寒天に必要な水分量が多くなり、水分摂取が追いつかなくなるからです。

寒天は1日6gほどを目安にして、水分をしっかり摂りながら適量を摂りましょう。

寒天Q&A

寒天は保存が効きますか?
寒天は乾物なので直射日光や湿度に気をつければ長期間の常温保存が可能です。
ただし、溶かしたり料理に加えて加工した場合は保存が効かないため、冷蔵庫で保存して2~3日で食べきりましょう。
寒天ダイエットの方法は?
主に2つの方法があります。
ひとつめは「食事の前に寒天を食べる」。
食事量を減らすために、食事の30分前に寒天を食べる方法です。
ふたつめは「料理に寒天を入れて食べる」。
寒天で料理のかさ増しをすることにより、摂取カロリーを減らします。
どちらも気軽にできますが、注意点もありますので本記事のこちらを参照してください。

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この記事を書いた人

パン作りと温泉をこよなく愛する2児の母。老後は伊豆で大きな犬と暮らすのが夢です。豆乳が好き、猫は苦手。