味噌汁の作り方|お手軽味噌汁レシピやおすすめの味噌をご紹介
和食の基本メニュー、味噌汁。
普段、作り方を意識することなんてあまりありませんよね。
何気なく作っているお味噌汁も、出汁のとり方やお味噌の選び方で全く違った味わいに大変身。
美味しいお味噌汁作りのポイントをおさえて、しみじみと「ごちそうさま」と思える味わい深いお味噌汁を作りましょう。
味噌汁の基本的な作り方
基本の味噌汁
美味しい味噌汁を作るポイントは、
- 1.だしをしっかりときかせること
- 2.具材を入れるタイミングを見極め、食感を活かすこと
面倒がらずにしっかりと出汁をとり、丁寧に作ることで、いつものお味噌汁が「料亭の味」に近づきますよ!
材料
- ・だし汁
- 400cc
- ・味噌
- 大さじ2
- ・好みの具材
つくり方
- 1
- だしを火にかけ、沸騰したら火の通りにくい順に具材を入れます。
余熱でも火が入るため、火を止めるタイミングはよく見極めて。
「もう少しかな」というあたりで火を止めると素材の歯触りや香りを活かせます。
- 2
- 火を止めたら味噌を溶き入れます。
・味噌の香りが最も豊かに感じられるのは「煮えばな(沸騰直前)」。味噌を入れた後に温めなおす場合は、沸騰する直前で止めるようにしてください。
・味噌を入れてからグラグラ沸騰させるのは香りが飛んでしまうのでNGです。
- 3
- 具材によっては、火を止めた後に入れるものもあります。
豆腐やわかめなど火を通す必要のない具材、ねぎやゆずなど煮ない方が素材の香りや風味が生きる具材などは、火を止めてから入れるようにしましょう。
味噌汁のだしについて
市販の「だし調味料」は旨味が強すぎて、どんな具材でも同じような味にしてしまいがち。
素材の味わいを活かすには、丁寧に引いた天然のだしがいちばんです。
おすすめは、かつおと昆布の合わせだし。
かつおのイノシン酸と昆布のグルタミン酸、種類の違うふたつの旨みの相乗効果で、なんと片方だけを使う時の7倍もの旨味が感じられるそうですよ。
- ・かつおだし…香り豊かで旨みも強い、日本の代表的なだし。
- ・昆布だし…上品な味と風味。動物性の具材と合わせるとおいしい。
- ・煮干し(いりこ)だし…魚らしい力強い風味と味わい。野菜の味噌汁におすすめ。
だしのとり方については、この後の「本格的なだしのとり方」を参考にしてください。
味噌の量と種類について
味噌汁の味噌の量は、1杯約16g(大さじ1)。
塩分が気になる方もいると思いますが、味噌汁の塩分は血圧に影響しないという研究結果がでていますので、あまり気にしなくても大丈夫です。
味噌は1種類でもよいですが、数種類の味噌を合わせるとおいしくなるとされています。
特に「赤味噌と白味噌」「信州の味噌と九州の味噌」など、違いの大きいものを合わせると味わいに深みがでるのでおすすめです。
「赤だし味噌」はこうした合わせ味噌の1種で、豆味噌をベースに米味噌をブレンドしたもの。
奥深い味わいで、コクのある味噌汁が作れます。
味噌汁の保存
できたてが美味しい味噌汁。
日持ちはせず、夏場などは半日で傷んでしまうこともあります。常温で保存する場合は遅くとも1日以内に食べきるようにしてください。
冷蔵で保存する場合もなるべく鍋ごと冷やし、1~2日で食べきるのが安心です。豆腐やじゃがいもなどの食感の変わってしまう具材がなければ冷凍もできますよ。
本格的なだしのとり方
「今まで顆粒だししか使ったことがない」という方も大丈夫。
面倒に思える和食のだしとりですが、長時間煮込むことの多い海外のだし(フォンやブイヨンなど)と比べると「インスタント」と呼べるほど手軽なものです。
大切なのは「水に浸している時間」。朝食の前や夕食の後など、生活の中で「だし素材を水に浸けるタイミング」を決めてしまいましょう。
習慣の中に組み込んでしまいさえすれば、お茶を入れるような感覚で簡単に本格だしをとることができますよ。
かつおだし
上品な味わいと豊かな香りが特徴のかつおだしは、どんな具材も引き立てる万能選手。
他の素材のように水に浸す時間も必要ないので、ほしいと思った時にすばやく作ることができるのがうれしいポイントです。
植物性の昆布だしと合わせることで旨味がアップします。
材料
- ・水
- 1L
- ・かつおぶし
- 30g
かつおだしのとり方
- 1
- 鍋に水を入れて火にかけ、沸騰したら火を止めます。
- 2
- かつおぶしを入れて1~2分おきます。
- 3
- 布やキッチンペーパーなどでかつおぶしを濾して完成です。
昆布だし
品のあるやさしい味わいで、くせがなく素材の持ち味を活かすのが昆布だしの特徴。
動物性のかつおだしや煮干しだしと合わせると旨味がアップします。
ここでご紹介する煮出し法の他に水出し法もありますが、水出し法の場合は少し昆布の量を増やしてください。
材料
- ・水
- 1L
- ・昆布
- 20g
昆布だしのとり方
- 1
- 昆布の表面を固くしぼった布巾で軽くふき、表面の小石や砂を落とします。
昆布の表面についている白い粉はマンニットという旨味成分なので、こすり落とさないよう注意!
- 2
- 昆布を鍋に入れた水に浸し、30分~1時間ほどおいておきます。
- 3
- 鍋を中火にかけ、小さな泡がふつふつとしてきたら昆布を取り出して完成です。
煮すぎるとぬめりがでて風味が悪くなってしまうので注意してください。
煮干し(いりこ)だし
魚の力強い旨味が特徴の煮干しだし。
素朴で家庭的なお味噌汁に向いています。
水出し法と煮出し法がありますが、味噌汁に使うのならしっかりとしただしのでる煮出し法がおすすめです。
材料
- ・水
- 1L
- ・煮干し(いりこ)
- 30g(頭と内臓を取り除いた分量)
煮干し(いりこ)だしのとり方
- 1
- 煮干しの頭と内臓を取り除きます。
ここで軽くフライパンで煎るとさらにおいしいだしがとれます。
- 2
- 煮干しを鍋に入れた水に浸し、数時間~半日ほどおいておきます。気温が高い時期は冷蔵が安心です。
- 3
- 鍋を火にかけ、強火で沸騰させます。沸騰したら弱火にし、アクを取り除きながら5分ほど煮出します。
- 4
- 布やキッチンペーパーなどで煮干しを濾して完成です。
焼きあごだし
澄んだ気品のある味わいと深いコクがある高級だし食材。
ほんのりとした香ばしさと甘さが特徴です。
うどんの汁やおでん、しゃぶしゃぶなど、だしの味がはっきりとわかる料理がおすすめですが、味噌汁ももちろんおいしくできます。
材料
- ・水
- 1L
- ・焼きあご
- 30g
焼きあごだしのとり方
- 1
- あごの頭と内臓を取り除きます。
・頭と内臓は、とらなくてもおいしくいただけますが、とった方が雑味のない仕上がりになります。
・ここで軽くフライパンで煎るとさらにおいしいだしがとれます。
- 2
- あごをほぐして鍋に入れた水に浸し、半日ほどおいておきます。気温が高い時期は冷蔵が安心です。
- 3
- 鍋を弱火にかけ、泡がのぼってきたら火を止めます。
臭みが出てしまうので、グラグラと煮ないようにしてください。
- 4
- 布やキッチンペーパーなどであごを濾して完成です。
干ししいたけだし
煮物などに使われることの多い干ししいたけのだし。
ベジタリアンなど動物性のだしを使わない方には昆布とともに重宝されるだし素材です。
昆布との相性もよく、合わせだしにするのもおすすめです。
材料
- ・冷水
- 1L
- ・干ししいたけ
- 40g
干ししいたけのだしのとり方
- 1
- 干ししいたけのゴミを軽くとります。流水で洗う場合はさっと流す程度に。
- 2
- 容器に冷たい水を入れ、干ししいたけを浸して蓋をします。
- 3
- 冷蔵庫で半日ほどおいておきます。
時間がない時は砕いてしまうか、途中で取り出してスライスすると数時間でだしが出ます。
- 4
- 料理に加え、食べる直前に加熱します。
手軽でおいしい味噌汁レシピ
手軽に作れるおすすめの味噌汁レシピです。
「わざわざ材料をそろえるのが大変!」という方は、こちらで味噌汁の具と組み合わせの相性、カロリーなどもご紹介していますので参考にしてみてくださいね。
大根と油揚げの味噌汁
数ある大根の味噌汁レシピの中でも「ホッとする」味わいを求めるならこちら。
より簡単に作るなら油揚げの油抜きをせずにキッチンペーパーなどで油を押さえるだけでもOKですが、油抜きした方がカロリー控えめになります。
材料
- ・大根
- 6㎝
- ・油揚げ
- 1枚
- ・しいたけ
- 4枚
- ・好みのだし
- 800cc
- ・好みの味噌
- 大さじ4
- ・小ねぎ(小口切り)
- 適量
つくり方
- 1
- 油揚げはザルに入れ、熱湯を回しかけて油抜きをします。
- 2
- 油揚げと大根、しいたけを細切りにします。
- 3
- 鍋にだしと大根を入れて強火にかけます。大根が煮えたらしいたけと油揚げを入れます。
- 4
- しいたけに火が通ったら火を止め、味噌を溶き入れて器に盛ります。
- 5
- 小ねぎを散らして完成です。
豆腐とわかめの韓国風味噌汁
豆腐とわかめといういつもの組み合わせを、ちょっぴりエスニック風に。
ボリュームがあるのにカロリーが控えめなのもうれしいポイントです。
材料
- ・木綿豆腐
- 1丁
- ・わかめ
- 10g(乾燥)
- ・えのき
- 1/2パック
- ・好みのだし
- 800cc
- ・好みの味噌
- 大さじ2
- ・豆板醤
- 小さじ2
- ・コチュジャン
- 小さじ1
- ・にんにく
- 適量
- ・ごま油
- 適量
- ・小ねぎ、海苔、ごま
- 適量
つくり方
- 1
- わかめを水で戻して水切りしておきます。
- 2
- だしを加えて火にかけ、石突をとって半分に切ったえのきを入れます。
- 3
- 沸騰してえのきに火が通ったら火を止め、豆腐とわかめを入れます。
- 4
- みじん切りにしたにんにくを入れます。
- 5
- 味噌、豆板醤、コチュジャンを溶き入れ、ごま油を数滴垂らして完成です。お好みで小ねぎや海苔、ごまをかけてどうぞ。
里芋とゆずの味噌汁
じゃがいもやさつまいもなど他のイモ類と比べると低カロリーな里芋を使った味噌汁。
控えめでやわらかな里芋の味わいに、ゆずの香りがよく合います。
使用する味噌は甘くクリーミーな味の京風白味噌がおすすめです。
材料
- ・里芋
- 6個
- ・好みのだし
- 800cc
- ・好みの味噌
- 大さじ4
- ・ゆず
- 適量
つくり方
- 1
- 里芋の皮を剥き、洗ってから乾いた布巾でぬめりをとり、ひと口大に切ります。
- 2
- 鍋にだしを入れて火にかけ、里芋を入れます。
- 3
- 里芋に火が通ったら火を止め、味噌を溶き入れます。
- 4
- 器に盛りつけて千切りにしたゆずを散らします。
栄養満点の具沢山味噌汁
具沢山の味噌汁なら「一汁一菜」でも満足感たっぷり。
魚と野菜に酒粕も加わって、栄養も満点の一品に仕上げました。
魚を豚肉や鶏肉に変える、酒粕を加えないなどのアレンジでもおいしくいただけます。
材料
- ・たら、鮭などの魚の切り身
- 4切れ
- ・大根
- 15㎝
- ・ニンジン
- 1本
- ・しめじやしいたけなど好みのキノコ
- 1パック
- ・好みのだし
- 1000cc
- ・好みの味噌
- 大さじ5
- ・酒粕
- 70g
- ・小ねぎ
- 好みで
つくり方
- 1
- 大根とニンジンをいちょう切りにし、キノコの石突をとって適当な大きさに切ります。
- 2
- 魚は1切れを4つに切っておきます。
- 3
- だしを中火にかけ、具材を入れていきます。大根、ニンジンを入れ、沸騰したらキノコ、魚、酒粕を入れて火が通るまで中火で煮ます。
- 4
- 火を止めて味噌を溶き入れ、最後にもう一度沸騰直前まで強火にかけて香りをたたせたら完成です。好みで小ねぎを散らしていただきます。
その他医師が考案した長生き味噌汁という味噌汁もあります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
長生き味噌汁|簡単な作り方や気になる効果・効能とは
『医者が考案した「長生きみそ汁」』(小林弘幸著)という本をご存じでしょうか?
ひと手間かけた「スペシャルみそ」を使うだけで、生活習慣病や老化、メンタルトラブルなど多くの病気や不調を予防・改善できる-そんな驚きの内容で、80万部を突破する大ベストセラーです。
「本当に手軽に作れるの?」「そんな魔法のような話があるのかな」
今回は「長生きみそ汁」が気になっている皆さまのために、その効果と作り方、レシピをまとめました。
長生き味噌汁|簡単な作り方や気になる効果・効能とはの記事を見る
味噌汁の作り方Q&A
- 具材を入れるタイミングはいつ頃がいいですか?
- 火を入れる必要のある具材は、だしを火にかけて沸騰したタイミングがよいです。
豆腐やわかめなどは火にかける必要は無いので、味噌を入れて溶いたあとが良いでしょう。
- 味噌を入れるときに火を止めるのは何故ですか?
- 味噌は熱にさらされると風味が飛んでしまうからです。
冷めてしまった味噌汁を温める時も高温で温めずに、低温でじっくりと温めてください。
- 味噌汁がいつもしょっぱいんですが
- 粒状出汁を使っているのであれば量を減らしてみてください。
それでも塩気を感じてしまうようであれば味噌の量も減らすと良いでしょう。
なるべく多くの野菜などを入れるとそれだけで旨味が出るので、自然と出汁の量も減らしていけますよ。
味噌関連のおすすめ商品
おすすめのかわしま屋取扱い商品をご紹介いたします。
三年味噌 傳右衛門味噌無添加450g -愛知県、奈良県、福岡県産大豆使用-
三年味噌 -傳右衛門無添加味噌450g三年長期熟成、無添加の酵素酵母が生きている生の味噌です
850 円(税抜)