ナットウキナーゼ|3つの効果・効能とおすすめの摂取方法ご紹介

ナットウキナーゼ

一時期テレビ番組などで取り上げられ、話題を博したナットウキナーゼ。その名の通り納豆に含まれる成分の1つですが、一体何が体に良いのでしょうか。

今回は、そんなナットウキナーゼの効果・効能や怪しいウワサの真偽について、情報たっぷりでお届けします!

ナットウキナーゼって何?

ナットウキナーゼって何?

ナットウキナーゼとは、納豆に含有される酵素タンパク質の一種です。
納豆は、煮た大豆を納豆菌で発酵させて作りますが、ナットウキナーゼはその発酵の際に生成される栄養素の1つなのです。

納豆自体は古くから日本で親しまれてきましたが、ナットウキナーゼとしてこの酵素タンパク質が発見されたのは1980年のこと。それ以前は「サブチリシンNAT」と呼ばれていました。

実はこのナットウキナーゼ、国際単位が設定されており、例えば納豆には1gあたり0.99国際単位のナットウキナーゼが含まれているそう。

ナットウキナーゼはさまざまな分解酵素を分泌するため、納豆としての活用だけでなく、産業用酵素の生産菌としても利用されているそうです。

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▼参考サイト
出典:納豆菌が持つ特殊酵素「ナットウキナーゼ」: その力価と特長

ナットウキナーゼの効果・効能

効果・効能

ナットウキナーゼが酵素タンパク質の一種であることからも分かるように、ナットウキナーゼにはタンパク質を分解する働きがあります。

ここでは、食事としてナットウキナーゼを摂取した際の効果・効能について、現在発表されている論文などを元に解説しましょう。

効果・効能1 血液サラサラ効果

血液サラサラ効果

ナットウキナーゼには、血栓の主成分となってしまう繊維状のたんぱく質「フィブリン」に直接働きかけ、分解(溶解)するのを助ける作用があると言われています。

また、血栓溶解酵素が生成される前段階の物質「プロウロキナーゼ」の活性化作用や、血栓溶解酵素である「プラスミン」の生成組織「プラスミノーゲンアクチベーター」の量を増大させる作用などが報告されています。

これはつまり、脳梗塞や心筋梗塞などの原因となる血栓を、さまざまな角度から予防できる効果が期待できるということ。

実験は、ラットや犬などの動物からヒトへの経口摂取まで行われており、いずれの実験においても、血栓溶解作用が認められています。

血栓溶解作用以外にも、ナットウキナーゼは血流改善作用により肩こりの緩和なども期待できると言われています。

 

出典:Thrombolytic Effect of Nattokinase on a Chemically Induced Thrombosis Model in Rat
出典:Enhancement of the Fibrinolytic Activity in Plasma by Oral Administration of Nattokinase
出典:血栓症および血管系疾患予防の可能性を探る:運動およびナットウキナーゼ摂取の効果
出典:納豆菌培養ろ液乾燥物「NKCP」の血液流動性改善作用

効果・効能2 高血圧の予防

高血圧の予防

ナットウキナーゼは、血栓を溶かしやすくする効果により、高血圧を予防するという副次的効果も期待されています。

ナットウキナーゼを8週間摂取した高血圧患者は、血圧の低下だけでなく、血圧を上昇させる物質の活性も低下させたとの報告もあるほど。

高血圧は長く続くと、頭痛やめまい、息切れ、動悸、手足のしびれといった症状につながります。
加えて常に血管に強い圧がかかっているため、血管内の壁も脆くなり、これが動脈硬化や血管の破損、ひどくなった場合には脳出血を引き起こす引き金にもなり得ます。

高血圧の原因は、肥満や加齢などの他に、塩分の取り過ぎやストレス、また遺伝なども関係している場合がありますので、「自分は関係ない」と思わずに、どんな人でもしっかり予防しておきたいですね。

 

出典:Effects of Nattokinase on Blood Pressure: A Randomized, Controlled Trial

効果・効能3 コレステロール値を下げる効果

コレステロール値を下げる効果

ナットウキナーゼは、コレステロール値を下げる効果も報告されています。

この効果を期待するには、ナットウキナーゼと紅麹の組み合わせが良いようです。

高脂血症患者にナットウキナーゼと紅麹の組み合わせを6カ月間摂取させた実験では、なんと血中総コレステロール、LDLコレステロール、総コレステロール/HDLコレステロール比すべての改善が見られたとのこと。

コレステロールは身体の細胞を作る上で重要な成分ですが、バターや脂身など動物性油脂を多く含む食べ物を取りすぎると、血中のコレステロールが増え、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞といった病気の原因になりかねません。

コレステロール値は年齢と共に基礎代謝が低下し、高くなる傾向にあるため、特に代謝の悪くなってきた方などは、普段の食事からコレステロール値が高くならない食事を気をつけましょう。

 

▼参考資料
出典:Combined Nattokinase With Red Yeast Rice but Not Nattokinase Alone Has Potent Effects on Blood Lipids in Human Subjects With Hyperlipidemia

ナットウキナーゼの安全性

ナットウキナーゼは血栓を溶解する作用があると言われているため、摂取しすぎると血が止まらなくなるのでは?と心配になる人がいるかもしれません。

これについては心配不要。

ナットウキナーゼ協会によれば、ナットウキナーゼは安全性試験により、過剰摂取でも安全であることが確認されています。

90日間の反復経口投与毒性試験や、サプリメントを使用したヒトでの安全性試験もクリアしているため、例えばサプリメントに加えて納豆を1パック食べるような日があっても問題はありません。

ただし、推奨されている1日のナットウキナーゼの摂取ロ湯は2,000FUとされており、大量に摂取したからといって効果が高まると言うわけではりません。
健康のためには、適切な量を毎日継続することの方が重要です。

また、一般の方には問題のないナットウキナーゼですが、ワルファリン(ワーファリン)の服用者は注意が必要です。
納豆に含まれるビタミンKはワルファリン(ワーファリン)の効果を弱めてしまうと言われているため、薬の服用者はナットウキナーゼを食品の納豆から摂取するのはやめておいた方が良いでしょう。

サプリメントであれば、ビタミンKを除去したナットウキナーゼも売られています。

ナットウキナーゼはどんな人におすすめ?

おすすめ?

毎日摂取することで、脳梗塞や心筋梗塞などの原因となる血栓の分解(溶解)作用が期待できるナットウキナーゼ。

血液サラサラ効果だけでなく、高血圧や高コレステロールの予防にも役立つため、代謝の下がってきた40代以上の方や、健康診断などで血圧やコレステロール値が高いと言われた方などは特に継続的な摂取をおすすめします。

また先にも書きましたが、高血圧は肥満や加齢だけでなく、塩分の取り過ぎやストレス、また遺伝などによっても引き起こされる場合があります。
日々強いストレスを感じている方や、味の濃い食事が好きな方も、摂取しておくと安心です。

納豆が好きな方であれば、毎日の食事に取り入れるのも良いですが、納豆の味や匂いが苦手な方はサプリメントの利用もおすすめです。

こんな人は要注意

「ナットウキナーゼの安全性」でも書きましたが、納豆に含まれるビタミンKは、血栓症患者などに処方される、血液を固まりにくくする薬ワルファリン(ワーファリン)の働きを弱めてしまいます。
そのため、ワルファリン(ワーファリン)を飲んでいる方は、納豆に限らずビタミンKの含まれる食べ物は摂取しないように注意しましょう。

ビタミンKの除去されたサプリメントであれば、ナットウキナーゼの摂取は可能とされています。

日頃から薬を服用している方は、あらかじめかかりつけの医師や薬剤師に、薬の飲み合わせの面から気をつけるべき食べ物やサプリメントについて確認しておくと、より安心です。

ナットウキナーゼのおすすめの食べ方

食べ方

ナットウキナーゼは熱に弱いという性質を持っています。
そのため、フライパンで一緒に火を通したり、鍋で温めているスープの中に入れるといった使用方法はおすすめできません。

納豆を調理に使用する場合は、熱すぎない料理に、後からトッピングするという形で取り入れた方が良さそうです。

血液サラサラ効果を狙うなら、必須脂肪酸であるEPAやDHAを含む食べ物と一緒に摂取するのも良いでしょう。
必須脂肪酸を含むのは、さばやいわし、まぐろなどの青魚です。

山形の名物「ひっぱりうどん」は、茹でたうどんにさばの水煮間と納豆を載せ、めんつゆや醤油などのタレを絡めた一品。ナットウキナーゼを摂取するのにまさに理想的な料理ですね!
味噌や卵と合わせたり、ご飯と合わせても美味しいです。

摂取のタイミング

血栓は、深夜から早朝にかけて出来やすいと言われています。
そのため、夕食後や寝る前にナットウキナーゼを摂取しておけば、その時間帯に血栓ができにくくなることが期待できます。

食事として納豆からナットウキナーゼを摂取する際は、腸のゴールデンタイムである夜10時ほどに間に合うよう、夜の8時までには摂取しておきましょう。
納豆菌による整腸作用やダイエット効果も期待できます。

ナットウキナーゼは効果なし?気になるウワサの真相は?

真相は?

あるテレビ番組では、試験管内で人工的な血栓を作り、そこにナットウキナーゼを入れて血栓が半分になる様子を紹介していました。

このような実験では、あたかもナットウキナーゼの酵素がヒトの体内でも、血栓をそのまま分解して溶かすといった誤解を産んでしまいそうです。

こうしたテレビ番組での誇張や、経口投与したナットウキナーゼが消化管から吸収され、血液中で作用を発揮するという明確な根拠が当時は不足していたため、流布しているナットウキナーゼの効果・効能が嘘なのでは?本当は効果がないのでは?と噂されることも少なくありませんでした。

しかし最近の研究では、ナットウキナーゼを経口摂取しても、抗血栓効果が期待できるということが臨床研究で明らかになりつつあります。
ただし、研究には食べ物としての納豆の経口摂取ではなく、ビタミンKなどを除去したナットウキナーゼを使用しているものも多いため、納豆をそのまま食べるのとでは健康効果が異なるということも考えられるでしょう。

▼参考サイト
沖縄県薬剤師会

 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(薬学系)|納豆の健康効果について(2)

ナットウキナーゼついてのQ&A

Q&A

ナットウキナーゼって何ですか?
ナットウキナーゼは、大豆が発酵されて納豆になる過程で生成される酵素たんぱく質の一種です。
ナットウキナーゼはいつ摂取するのが良いのでしょうか?
血栓が出来やすいのは深夜から早朝と言われているため、夕食や睡眠前に摂取するのが一番効果的と言われています。身体の水分量が減ったり、フライトなどの血流が圧迫されるような状況の前に摂取するのもおすすめです。
ナットウキナーゼは熱に弱いとありましたが、具体的に何度以上で調理すべきではないのでしょうか?
ナットウキナーゼの含まれているものの水分量によって、ナットウキナーゼの活性が低下する温度は異なります。水分が多い状態では50度以上で活性が急激に低下してしまいます。水分の少ない状態では100度でも活性が低下しない場合もありますが、ナットウキナーゼの効果を期待活かしたいなら、できるだけ温め過ぎない方法で摂取しましょう。
納豆をどれくらい食べればナットウキナーゼと同様の効果を得られますか?
血栓を溶かす効果があるとされているナットウキナーゼの量は、1日2,000FUが目安と言われています。納豆1パックに含まれるナットウキナーゼは、平均1500FUほど。そのため、単純計算で1日1~2パック程度の摂取でサプリメントなどのナットウキナーゼと同様の効果が得られると言えるでしょう。
ナットウキナーゼを摂り過ぎても副作用はありませんか?
安全性試験により、ナットウキナーゼは過剰摂取でも問題のないことが確認されています。ただし、食べ物としての納豆にはセレンというミネラルが含まれており、このセレンの過剰摂取により胃腸障害や下痢、疲労感といった症状を引き起こすことが知られています。1日の上限摂取量の目安は納豆2パック分とされているので、1日2パック以上の納豆は食べないように気をつけましょう。

ナットウキナーゼ関連のおすすめ商品

おすすめのかわしま屋取扱い商品をご紹介いたします。






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この記事を書いた人

パン作りと温泉をこよなく愛する2児の母。老後は伊豆で大きな犬と暮らすのが夢です。豆乳が好き、猫は苦手。