米酢と穀物酢の違いとは?米酢の栄養効果や美味しいレシピも紹介

記事の監修
管理栄養士
鶴田 ようこ
調理師・管理栄養士。2つの資格を生かし食用油脂製造会社にて品質管理に従事。菜種油、オリーブ油の品質に関する分析、衛生管理等を行う。幼い頃から野菜作りの手伝いをしていたことから、季節の野菜料理が得意。

管理栄養士:鶴田ようこ
ふつうの米酢と黒酢はどこが違うの?

家にあるお酢といえばミツカンのお酢ではないでしょうか。このお酢はいわゆる穀物酢と呼ばれるもので、どのスーパーマーケットにもだいたい置かれています。
その穀物酢とよく似たパッケージングである米酢も、酢の中では身近な存在かと思います。
しかし、実際に米酢を使用したことがあるかと言われると、使用したことがないと答える方が多いのではないでしょうか?
ちなみに、私は間違って米酢を購入してしまい、親に再度穀物酢を買いに行かされたという苦い思い出があります。
今回はそんな米酢にスポットを当てて、効果や穀物酢との違い、おすすめのレシピなどをご紹介します。

もくじ

米酢とは

米酢とは、精製米を発酵させて造られたお酢のことです。米酢は、米の甘みと旨みが感じられるのが特徴で、まろやかで複雑な酸味があります。加熱せずにそのまま使う料理に適しており、酢の物や漬物、和風ドレッシングなどを作るのにおすすめです。また、米酢には脂肪の分解を促したり、血圧の上昇を抑えたりする効果が期待されています。

米酢がもたらす4つの健康効果

白米には少量のビタミンB群が含まれるだけでそれほど栄養価は高くないと言われています。しかし、白米を発酵させて酢に加工する過程で15種類のアミノ酸と70種類以上の有機酸が生まれるのです。
米酢に特に多く含まれているのがクエン酸で、その健康効果の高さが近年の研究でも明らかになっています。

健康効果1 ダイエット効果

お酢にはダイエットの効果が期待できると言われていますが、 米酢も例外ではありません。
酢に含まれるアミノ酸とクエン酸成分が脂肪の燃焼を助けるため、米酢にはダイエット効果が期待できると言えるのです。

参考:日本栄養・食糧学会誌「分岐鎖アミノ酸代謝の調節機構」

健康効果2 腎臓結石予防効果

米酢には腎結石の成長を阻害するクエン酸が高濃度に含まれています。
40歳以上の男性に多いとされている腎臓結石ですが、予防のためにも米酢を摂るといいでしょう。

参考:日泌尿会誌「尿路結石症の成因」

健康効果3 血行改善

米酢には動脈硬化などの原因となるドロドロの血液を、キレイに流れやすくする効果があるとされています。
これにより、腰痛や肩こりと言った血流が原因の不調を予防・改善をする効果が期待されています。

健康効果4 高血圧予防

米酢に含まれる酢酸という成分には、血圧を上げるホルモンの分泌を抑える働きがあります。
即効性はありませんが、米酢を摂り続けることで高血圧を改善するといった効果が期待できるでしょう。

米酢の選び方

さまざまなメーカーから発売されている米酢。どれを選んだらいいのか迷ってしまいますよね。米酢を選ぶ際は、以下の3つのポイントをチェックしてみましょう。

  • 原材料
  • 酸度
  • 製造方法

原材料は、米だけで作られた純米酢がおすすめです。純米酢の場合、醸造用のアルコールや玄米などが使われている米酢よりも米の甘みやまろやかさがしっかりと感じられます。
酸度は、お酢の酸っぱさの目安で、一般的な米酢の酸度は4.5%前後です。好みに合わせて選びましょう。
醸造方法は、静置発酵法と連続発酵法があります。静置発酵法は樽や壺を用いた伝統的な製法で、時間と手間がかかりますが、その分味に深みが出ます。現在流通している多くのお酢は、短時間で大量生産ができる連続発酵法で造られています。連続発酵法で造られたお酢は、風味の感じられない淡泊な味になりやすいです。

静置発酵法で造られた純米酢はこちら

米酢と穀物酢の違いは?

米酢と穀物酢、どちらもスーパーなどで良く目にする商品名ですが、具体的にどこが違うのでしょうか?

米酢の特徴

米酢は、米のみを主原料として醸造されたお酢です。 その味わいはまろやかで、米の甘みと旨み・風味が生きたお酢になっています。 米酢は、すし飯との相性が一番よいとされており、寿司職人の多くが米酢を使っているそうです。 また、原料が米ということもあり、日本国内産のものが多いのも米酢の特徴です。

穀物酢の特徴

穀物酢はその名の通り、米、小麦、酒粕、トウモロコシなどの穀物を原材料として造られているお酢です。 ご家庭で用いられている酢の多くは穀物酢で、一度は目にしたことがあるはずです。 穀物酢の特徴としては、さっぱりとした酸味でツンとした酢の香りがする点が挙げられます。 その用途はさまざまで、和洋中とお料理全般で活躍してくれます。

米酢と穀物酢の使い分け方

基本的には味の好みで使い分けるのがいいでしょう。 米酢は和食との相性がよいとされており、あわせ酢やすし酢、煮物の隠し味などにお使いいただくと味が締まります。一方、穀物酢はクセのない、シンプルなさっぱりとした味なのでどんな料理にもお使いいただけます。 

\ 和食におすすめの米酢はこちら /

米酢の美味しい摂り方

米酢は酸味が強めのため、ドリンクとして飲むよりも、お料理などに使って摂る方が適しています。米酢がよく合うレシピをチェックしてみましょう。

米酢

米酢ドレッシング

米酢を使った簡単なドレッシングのレシピです。いつもとは違う味が楽しめます。
4.45 from 9 votes
調理時間 5 mins
材料(人分) 2

材料
  

  • 米酢 大さじ 2
  • オリーブオイル 大さじ 1
  • しょうゆ 小さじ 2
  • 砂糖 小さじ 1
  • 小さじ 1/4

作り方
 

  • 米酢、オリーブオイル、しょうゆを混ぜ合わせます。
  • 塩と砂糖を入れ、混ぜ合わせて完成です。
このレシピのキーワード ドレッシング, 米酢
米酢

ごま風味の浅漬け

優しい酸味のお漬物です。あと一品にいかがでしょうか。
4.67 from 3 votes
調理時間 20 mins
材料(人分) 2

材料
  

  • きゅうり 2
  • ★米酢 大さじ 1
  • ★出汁 大さじ 3
  • ★ごま油 小さじ 1/2
  • ★鷹の爪 1/2
  • 適量
  • いりごま 適量

作り方
 

  • きゅうりを1口大に切り分けます。
  • きゅうりを塩もみして2分ほど置きます。出てきた水気を切ります。
  • ビニール袋にきゅうりと★の調味料を入れ、空気を抜いて口をしばり15~30分ほど漬けます。
  • いりごまを振ってお召し上がりください。
このレシピのキーワード 酢の物, 米酢
酢飯

酢飯

基本の酢飯の作り方です。甘さは控えめなので、お好みに合わせて砂糖の量を調整してください。
4.38 from 8 votes
調理時間 2 hrs
材料(人分) 4

材料
  

  • 3
  • 500 cc
  • 昆布 1
  • 大さじ 3
  • <すし酢>酢 大さじ 6
  • <すし酢>砂糖 大さじ 3
  • <すし酢>塩 小さじ 2

作り方
 

  • 米をといでざるに上げて、30分おいておきます。
  • 米、水、昆布、酒を入れて炊きます。 いつものご飯よりかために炊き上げる分量です。
  • ご飯を炊いている間にすし酢を作ります。
  • 飯台をしめらせておきます。
  • ご飯が炊けたら昆布を取り出します。
  • ご飯を飯台に移し入れ、さっと広げます。
  • 合わせたすし酢をご飯全体に回しかけます。
  • しゃもじで切るように手早くご飯を混ぜます。うちわであおぎながら混ぜるとご飯がつやよく仕上がります。

動画

このレシピのキーワード 黒酢, 酢飯

\ 時間をかけて発酵・熟成した米酢はこちら /

「米酢」についてのQ&A

米酢と穀物酢の違いは何ですか?

米酢は米だけで作られたお酢で、旨みや風味が豊かです。穀物酢は米以外の穀物やアルコールも使われたお酢のため、やや酸味が強くコクを感じにくいです。

米酢の効果・効能は何ですか?

米酢の効果・効能としては、ダイエット効果、血圧・血糖値の調整効果、血液をサラサラにする効果などが挙げられます。

米酢はどのくらいの量を摂ればいいですか?

米酢の摂取量には明確な基準はありませんが、一般的には1日15~30ml程度が目安とされています。 お酢は酸性が強いため、過剰に摂ると胃や歯に負担がかかる可能性があります。また、お酢だけでなく食事全体のバランスも大切ですので、偏らないように気をつけましょう。

管理栄養士からのコメント

最近ではさまざまなお酢のドリンクが販売され、お酢を食生活に取り入れやすくなりましたよね。
米酢は穀物酢よりまろやかに感じる方が多く、料理に取り入れやすいお酢の1つです。
お酢のドリンクには飲みやすくするために砂糖が含まれていることが多く、パッケージの表示を確認して購入することをおすすめします。
米酢はドリンクとしても飲むこともできますが、ドレッシングやピクルスなどさまざまな料理ができますので、ぜひ試してみてください。

管理栄養士:鶴田ようこ

管理栄養士プロフィール

鶴田 ようこ

調理師・管理栄養士。2つの資格を生かし食用油脂製造会社にて品質管理に従事。
菜種油、オリーブ油の品質に関する分析、衛生管理等を行う。
幼い頃から野菜作りの手伝いをしていたことから、季節の野菜料理が得意。

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この記事を書いた人

商品ページ・コンテンツ担当。趣味は手作りアクセサリー作り。
猫と二人暮らし。庭に来る黒い野良猫をどう追い払おうか思案中。

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