リンゴの絞り汁だけを3年熟成させてつくった希少なリンゴ酢-壽屋リンゴ酢の製造風景-

リンゴ酢

かわしま屋で人気のリンゴ酢を製造している壽屋漬物道場(山形県東根市)をお邪魔しました。

アルコールを添加せずリンゴの搾り汁だけを発酵させ、三年熟成させたリンゴ酢をつくるのは全国でも唯一。

ここ数年、テレビや雑誌でリンゴ酢が紹介される機会が増えました。
並行してリンゴ酢の需要も急増し、かわしま屋でもリンゴ酢が品切れになることもしばしば。
なかでも壽屋さんのリンゴ酢は、お客様から圧倒的な人気と評価を得ている逸品です。
そんなリンゴ酢の魅力をじっくりと聞いてきました。

リンゴ酢の樽

▲リンゴ酢の樽

入荷しても即売り切れの、人気リンゴ酢はここでつくられている

壽屋漬物道場

▲壽屋漬物道場

リンゴ酢は壽屋漬物道場と呼ばれる製造場所でつくられています。
「良い食べ物を作るには食品作りへの真摯な心を養わなければならない」という考えから、製造場所は工場ではなく「道場」と呼ばれています。

つけもの道場

▲つけもの道場

この道場ではリンゴ酢の他にも、「茜姫(完熟梅を砂糖とリンゴ酢で漬けたもの)」や「ままけは(麹に青唐辛子、うり、昆布を加えた加工品)」などの人気商品を制造しています。

つけもの道場

つけもの道場

つけもの道場

漬物屋がリンゴ酢をつくり始めたわけ

お話をしてくださったのは漬物師範(社長)の横尾昭男さんと取締役工場長の丹野秀雄さん。

横尾昭男さんと丹野秀雄さん

▲漬物師範(社長)の横尾昭男さん(右)と取締役工場長の丹野秀雄さん(左)

横尾昭男さんは、大学卒業から50年にわたって漬物づくりに従事してきました。
食品コンサルタントの大家で、「食品を見わける」(岩波新書)の著者でもあり、誠実な食品づくりを提唱しつづけてきた磯部晶策氏の理念に基づき、漬物づくりを続けてきました。

つけもの道場

つけもの道場

自社の漬物を漬けるためのリンゴ酢を探していたが、満足できるものに巡り会えず、自分たちでつくることになったのが、リンゴ酢づくりのきっかけでした。

つけもの道場

以来10年以上にわたり数々の試行錯誤を繰り返し、ようやく現在の製法にたどり着きました。

つけもの道場

リンゴ酢ができるまで

1.リンゴの搾汁

収穫されたリンゴを自社でしぼります。

リンゴの洗浄

▲リンゴの洗浄

リンゴの洗浄

▲リンゴの洗浄

リンゴを粉砕

▲リンゴを粉砕

リンゴの粉砕

▲リンゴの粉砕

リンゴ果汁

▲リンゴ果汁が絞り出されます

2.リンゴ果汁をアルコール発酵(一回目の発酵)

搾ったリンゴ果汁が数日間でアルコール発酵し、リンゴ酒になります。壽屋では、リンゴの天然酵母(野生の酵母)によって発酵を進め、リンゴワインを作っています。

アルコール発酵

アルコール発酵

アルコール発酵

▲リンゴ果汁をアルコール発酵(一回目の発酵)

3.リンゴ酒を酢酸発酵(二回目の発酵)

そこへ酢酸菌を加えて発酵。数日間かけて酢酸発酵させます。

アルコール発酵

充分に発酵し、アルコール分が無いに近い状態のものに対して同量のリンゴ酒を投入し、2-3日間酢酸発酵させた後に半分をリンゴ酢として引き抜きます。

4.澱下げ(おりさげ)

にごりの原因となるタンパク質を沈殿、除去します。
時間をかけじっくりと澱を下げます。

澱下げ(おりさげ)

▲澱下げ(おりさげ)

5.熟成

壽屋の蔵をのぞくと、大きな樽がずらり。
リンゴ酢がひっそり、そして活き活きと熟成を続けています。

熟成

熟成

▲熟成

6.瓶に充填

瓶に充填

▲瓶にリンゴ酢を充填していきます

7.本格醸造リンゴ酢の完成

リンゴ酢の完成

▲本格醸造リンゴ酢の完成

さらに詳しくリンゴ酢について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

リンゴ酢

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お話しくださった方/横尾昭男さんと丹野秀雄さん

――漬物をつくっていた壽屋漬物道場がなぜリンゴ酢をつくることになった理由は?

横尾・丹野:

もともとは自社の漬物を漬けるための良いリンゴ酢を探していたのですが、昔ながらの方法でつくられているものに出会えず、最終的に自分たちでつくる事になりました。

壽屋漬物道場

――既存のお酢ではダメだったのでしょうか?

横尾・丹野:

国内で制造されているリンゴ酢は、リンゴ果汁だけでつくられたものはほとんどありません。
使用されているリンゴ果汁は30%程度で、それを水などで薄め、アルコールを添加させてつくるものが大半です。製造コストや効率を考えれば圧倒的にそちらの方が良いのでしょう。

国内の法律で規定されたリンゴ酢の基準というのはかなり幅が広いんです。

原料のうち3割以上、リンゴ果汁が入っていれば「リンゴ酢」と名乗って良いことになっています。
でもそれだと、美味しいリンゴ酢にはならないし、うちの漬物に使えるものにはなりませんでした。

さらに、国内の酢の多くが、アルコールや発酵助剤を添加して作られていることも知りました。
現在の日本農林規格(JASマーク)では、このような添加をした製法でも「醸造酢」と表示してよいことになっています。
さらには発酵助剤の添加を表示する義務も無いのです。
しかしそれでは本当の醸造リンゴ酢では無いだろう。
これをお酢と呼んで良いのだろうか?ごまかしてはないだろうか?
安全安心の食として、自信をもってお客様に提供できるだろうか?そう思いました。

本物のお酢が無いのであれば、自らの手で作ろうと思い、自分たちでリンゴ酢を作りはじめました。

壽屋漬物道場

――製法のこだわりをお教えください。

横尾・丹野:

リンゴ酢づくりをはじめた当初は、リンゴ酢を薄めてアルコールを添加して作るやり方をご指導いただいたんです。
その方が効率は良いのでしょう。
でもそれだと、うちの漬物に使える理想のリンゴ酢にはなりませんでした。

そのため、私達は昔ながらの製法、即ちリンゴの搾り汁をアルコール発酵させる方法をとっています。

先ずはリンゴを洗浄して、粉砕して搾汁。そしてリンゴの搾り汁を置いておいて、アルコール発酵させます。
アルコール発酵させるためには醸造免許が必要なのですが、それも取得しました。
手間もかかるし、出来上がる量も少ないですが、自信を持って薦められる品質に仕上がります。

壽屋漬物道場

――壽屋漬物道場様の商品の魅力をお教えください。(他のリンゴ酢と比較して、魅力的な所を是非お教えください)

横尾・丹野:

壽屋のリンゴ酢はアルコールを添加することなく、山形のりんごから搾ったりんご果汁をアルコール発酵させたりんご酒を原材料としています。

壽屋漬物道場

通常のお酢の代わりにこのリンゴ酢を使ってみてください。
素材の味と香りが活きた仕上がりになると思います。
本物の醸造リンゴ酢の実力を是非味わって見て欲しいです。

壽屋漬物道場

壽屋さんのリンゴ酢の魅力と、このリンゴ酢がいかに手塩にかけてつくられているのかが、良くわかりました。
横尾昭男社長、丹野秀雄工場長、お忙しい中お時間ありがとうございました!

壽屋寿香蔵のおすすめ商品

壽屋寿香蔵のおすすめのりんご酢をご紹介いたします。





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この記事を書いた人

東京都出身。酉年生まれ。2児の父。趣味は読書と散歩と足のつぼ押し。
洗濯物をたたむのが苦手。煮豆と井上陽水が好き。