フリーズドライ味噌汁|手作り味噌にはない特徴や活用法とは?

長生きみそ汁の作り方

突然ですが、フリーズドライ味噌汁にどのようなイメージをお持ちですか?
「所詮はインスタント食品でしょ?」「なんか栄養なさそう…」
そんな負のイメージを持たれている方も多いかもしれません。

ところがそんなフリーズドライ味噌汁、今では味も栄養も手作りに劣らないと評価され、高級ギフトにも選ばれているとか。
インスタントなのに…?とちょっぴり疑いつつ、今回は思いがけないフリーズドライ味噌汁の魅力と活用法に迫ります!

フリーズドライ味噌汁とは

フリーズドライ味噌汁とは

フリーズドライ食品とは、食材を凍らせたまま真空状態にし、乾燥させた食品です。
1パックずつ包装されており、お湯を注いで数十秒で食べることができます。

大きな特徴は「作りたてに近い」ということ。
食材の形を保ったまま乾燥しているので、お湯を注ぐと一気に元の形に戻るのです。

ごろごろと入ったナスや油揚げ、具だくさんの豚汁や海鮮汁…
他の方法で保存した食品と比較すると、食感や香りも「まるで作りたて」!

インスタント食品ということでわびしいイメージを持たれている方も多いかもしれませんが、最近では質の高い無添加のフリーズドライ味噌汁や乳酸菌入りの味噌汁、有名料理家が監修したものや地方の名産物が入った高級フリーズドライ味噌汁など、バラエティ豊かに楽しめるようになっています。

フリーズドライ味噌汁ってどうやって作られるの?

フリーズドライ味噌汁ってどうやって作られるの?

フリーズドライ味噌汁は四つの工程で出来上がります。

  • 1. 味噌汁・具材を調理する
  • 2. 味噌汁・具材を完全に凍らせる
  • 3. 真空凍結乾燥機で真空状態にし、乾燥させる
  • 4. 品質チェックをして包装する

インスタントといっても、一度作ったものを凍結・乾燥させるだけ。
異なる具材を同じ時間で戻せるように、具材と汁は別々に調理されることが多いようですが、その他には特殊な加工や科学的な処理などはない自然のままのお味噌汁。

メーカーの中には具材に合わせて味噌やだしの種類を変えるなど、家庭以上にこだわって作っているところもあり、おいしさには定評があるようです。

フリーズドライ味噌汁のおすすめポイント

フリーズドライ味噌汁のおすすめポイント

このように作られたフリーズドライ味噌汁の特徴は次のとおり。

  • ・賞味期限が数ヶ月から数年と長く、長期保存できる
  • ・常温で保存できる
  • ・食べるのに必要なのはお湯だけ(電気を使わない)
  • ・作りたての味・鮮度をそのままキープできる
  • ・乾燥しているため食品を傷ませる酵素や微生物が働かず、保存料などを添加する必要がない

こうして見てみると、「インスタント」というよりも「(従来の乾燥や冷凍を超える)画期的な保存方法」という印象ですね。

今では技術が進み、味噌汁以外にも、シャキシャキのコールスローやらサクサクのカツ&ふわふわの卵なんていうものもフリーズドライでできてしまうのだそうです。

保存料などが必要ないというところもうれしいポイント。
インスタントというとジャンクなイメージがありますが、思った以上にヘルシーなようですね。

フリーズドライ味噌汁はこんな場面で活躍

さて、意外とおいしそうだということは分かりましたが、そうはいっても普段インスタントのものを使わない方にとっては「忙しい人のためのものでしょ?」「自分の暮らしには関係ないかな」という感じですよね。

でも、実はフリーズドライ味噌汁の活躍する場面、暮らしの中にたくさんあるんです。

ランチに

ランチに

職場のランチタイム。
お弁当の隣に「味噌汁かスープがあれば…」ということ、ありませんか?
メニューに温かいものがあると一気に「ご飯を食べている」という満足感が増すものです。
自宅から熱いお味噌汁を持ってくるのは大変ですが、フリーズドライ味噌汁ならマグカップと一緒に職場に常備しておくだけ。
今はフリーズドライ味噌汁も種類がたくさんあるので、手作りよりもバラエティ豊かに日替わり味噌汁が楽しめてしまいます。

災害時の備蓄用に

災害時の備蓄用に

災害時にスーパーから物がなくなり、電気も使えずに困った経験をされた方も多いと思います。
どんな家庭でも食料の備蓄は必須です。

備蓄品というと乾パンなどの乾燥したものや缶詰が多いですが、ただでさえ不安の多い災害時に食べ慣れない物を食べなくてはならないストレスは、特にお子さんや高齢の方にはこたえるもの。
フリーズドライ味噌汁なら、長期間保存できるだけでなく、普段の食事と変わらないものを食べられるという安心感があります。
味噌には気持ちをリラックスさせる効果のある成分も含まれていますので、緊張しがちな災害時の非常食にはぴったりです。

キャンプ・登山に

キャンプ・登山に

なるべく荷物を軽くしたいキャンプや登山。
そんなときにも、フリーズドライ味噌汁が活躍します。

フリーズドライ味噌汁の重さは、なんと1杯10~20g!
3つ携帯してもフェイスタオル1枚分ほどの軽さです。あまり具材が入っていないイメージがあるかもしれませんが、具だくさんなものもたくさんあり、思った以上に満足感があります。
特に山の上は冷えるので、温かいお味噌汁はありがたいですね。

贈り物・おみやげに

贈り物・おみやげに

意外かもしれませんが、フリーズドライ味噌汁は贈り物にも喜ばれています。
高齢の方や一人暮らしの方など、「味噌汁を少量作るのは大変」という方でも手軽に本格的な味が楽しめるため、セットでお中元やお歳暮のギフトにされるのもおすすめです。

もうひとつの意外な使い道が、海外へのおみやげ。
「味噌汁」という日本独自の料理がコンパクトに軽く持ち帰れるので、日本へ来た外国人旅行客の方々に大人気なのだそうです。

海外に旅するときに持って行くと、現地在住の日本人の方はもちろん、ネイティブの方にも喜ばれますし、日本食が恋しくなったときにも活躍するかもしれませんよ。

フリーズドライ味噌汁は栄養がない?

見た目はパサパサ、まるで抜け殻のよう…フリーズドライにすると栄養が損なわれそうな気がしませんか?
ところがフリーズドライ味噌汁は、味や食感だけでなく栄養面でも新鮮な状態に近いのです!

フリーズドライにすると栄養はどうなる?

フリーズドライにすると栄養はどうなる?

イギリスのSheffield Hallam Universityの研究によると、ビタミンC、抗酸化物質、フェノール類(ポリフェノールなど)について、フリーズドライにした果物はほぼフレッシュのものと変わらない栄養価を保っていることが確認されたそうです。

それに対して冷蔵保存は、24時間程度であればあまり栄養価が変わらないものの、1週間も保存するとフェノール類などはガクンと含有量が落ちてしまうそう。

比較したわけではありませんが、ものによってはフリーズドライ味噌汁の方が家庭の冷蔵庫で冷蔵していた野菜で作った味噌汁より栄養があるという可能性もあるのかもしれません。

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フリーズドライ味噌汁のカロリー

実は、フリーズドライ技術というのは油と相性が悪いそうです。
というのも、油の多いものはうまくフリーズドライ加工ができないため、フリーズドライ製品というのは総じて脂肪分控えめにできているのだとか。

お味噌汁はもともとヘルシーな料理ですが、一般的な味噌汁がだいたい40~50kcalのところ、フリーズドライ味噌汁は1杯30kcal程度のものが多いようですよ。

フリーズドライ味噌汁を食べるときの注意点

フリーズドライ味噌汁を食べるときの注意点

味よし、栄養よしのフリーズドライ味噌汁ですが、食べるときには注意点もあります。

フリーズドライ食品には、真空凍結乾燥の工程で小さな穴がたくさんあきます。
戻すときはその小さな穴にお湯がさっと入り込んでみるみるうちに元の姿になるわけですが、穴があいているということは酸素に触れる面積が大きいということ。

酸素に触れる面積が大きいということは…そう、フリーズドライ食品は酸化しやすいのです。
一度開封したものを放置すると過酸化物が発生し、食べると老化や生活習慣病の原因に。
開封したらすぐにお湯を注ぐことが大切です。暑い場所も苦手なので、あまり温度があがらない場所で保管すると良いでしょう。

フリーズドライ味噌汁が賞味期限切れ!どうする?

フリーズドライ味噌汁が賞味期限切れ!どうする?

備蓄品として置いておいたフリーズドライ味噌汁が賞味期限切れ!
ありそうな事態ですね。
乾燥しているので食べられそうな気もしますが、どうなのでしょうか?

まず、賞味期限のことで知っておかなければならないことは賞味期限≠消費期限だということです。
「賞味期限」はおいしく食べられる目安となる期限で、この日を過ぎたからといってすぐに食べられなくなるわけではありません。
対する「消費期限」は安全に食べられる期限のこと。この日を過ぎたら食べない方がよいという目安で、こちらは生ものなど傷みやすい食品に表示されています。

フリーズドライ味噌汁に設定されているのは「賞味期限」。
ですので、適切な温度で保存されていれば、未開封の場合は賞味期限が切れていても問題なく食べられることが多いです。

ただし、「食べても安全」と「食べておいしい」は別。
味のほうはゆっくりと落ちていきますので、防災用などに長期保存している場合は賞味期限前に食べてしまい、新しいものに買い換えるのがおすすめです。

おすすめは「ローリングストック」

おすすめは「ローリングストック」!

「ローリングストック」とは、ある物を使う前に新しい物を購入しておく保存方法のこと。
食品なら賞味期限が切れる前に新しいものを買い、買ったら古い方を食べるということで、賞味期限切れや無駄を防ぐことができるおすすめの備蓄法です。

例えば賞味期限が3年のものであれば、1年に1度「備蓄をチェックして更新する日」を決めてみてはいかがでしょう。
年に一度食べておけば、災害時にどのような食事内容になるか、量は適切かなどチェックすることができますし、いざというときに賞味期限切れで慌てることがありません。

もっと頻繁に日常生活の中に取り入れるのもおすすめです。
例えば3ヶ月に1度、1ヶ月に1度…。日常の中に備蓄品を取り入れることで、非常時もいつも食べているものを食べられ、安心につながります。

「購入するのを忘れそう」という方は、ネット販売の定期コースなどで申し込んでおくのも良いですね。

フリーズドライ味噌汁についてのQ&A

フリーズドライ味噌汁の豆腐と高野豆腐は違うの?

フリーズドライ味噌汁の豆腐は真空凍結乾燥ですので、「凍結して解凍する」を繰り返して作る高野豆腐とは成分・味・食感ともに異なります。
フリーズドライ味噌汁の豆腐はやわらかくなめらか。生の豆腐に近い味わいです。

フリーズドライ味噌汁の中の菌は生きているのでしょうか?

たとえば乳酸菌は、フリーズドライにしても休眠状態のまま生きています。
ではフリーズドライ味噌汁の中の菌が生きているかというと、フリーズドライ加工をする前の調理(加熱)の段階で死んでいる可能性が高いです。

ただ、菌については死んだ菌であっても生きている菌と同様に腸内環境を整えると言われていますので、あまり気にする必要はないでしょう。

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この記事を書いた人

パン作りと温泉をこよなく愛する2児の母。老後は伊豆で大きな犬と暮らすのが夢です。豆乳が好き、猫は苦手。