びわは薬木の王様!おいしい実と葉で老化防止&スキンケア



びわは薬木の王様!

気品のある香りとみずみずしさが人気の初夏の果物、びわ。

オレンジやリンゴなどと比べると「身体によい」というイメージはなく、栄養的にはちょっと地味な存在…?

いえいえ、実は「薬木の王」と呼ばれるほど高い薬効をそなえ、古来から治療用に重宝されてきたんです。

自然の力を活かしたいという声の高まってきた現代、再びびわの魅力に注目が集まっています。

びわとは

びわとは

あまり知られていませんが、びわはバラ科の果物で、サクランボやモモの仲間です。
そう言われてみればモモに似たやさしい香りと味わいがありますね。

「びわ」という名前は、その形が楽器の「琵琶」に似ていることが由来。
原産国は中国で、英語名の「loquat」は中国・広東語の発音からきているそうです。

旬の時期は6月頃ですが、最近はハウスの利用により「初夏の果物」から「春の果物」となってきているようです。

温暖な気候を好み、日本では長崎県、千葉県、和歌山県などが産地として知られています。

びわの歴史

びわの歴史

日本にびわが伝わったのは奈良時代。

中国の仏教経典『大般涅槃経』では「大薬王樹(だいやくおうじゅ)」と呼ばれ、食用以上に薬用として重宝されてきたびわは、日本にもまず治療用として伝わったようです。

光明皇后(聖武天皇の皇后)が病人や貧民に薬草を施したという「施薬院」での治療にもこの「びわ療法」が使われていたそうで、文献に記録が残っています。

一方、びわの実が食用として本格的に栽培されるようになったのは江戸時代から明治時代にかけて。

有名な「茂木」や「田中」などの品種はこの頃からありますが、現在では「長崎」「大房」などより大きな実をつける品種も生まれて、高級果実としても流通するようになっています。

びわの選び方と食べ方

びわの選び方と食べ方

意外と知られていない、びわの選び方、食べ方のポイントをご紹介します。

その1 おいしいびわの選び方

皮にピンとハリがあり、うぶ毛や白い粉(ブルーム)が残っているのが新鮮なびわ。
皮がツルツルしているものは、収穫してから時間が経っているものなのだそうです。

もぎたてが一番おいしいと言われているびわ。新鮮なものを選びましょう。

その2 びわは熟したものを食べること

「青梅を食べてはいけない」という話を聞いたことがありませんか?

バラ科の未熟な実にはシアン化合物が含まれ、体内で分解されると青酸となり身体に有害です。
びわもしっかり熟したものを食べるようにしましょう。

びわは追熟しないため、お店で売っているものはそのまま食べられます。

その3 びわは剥いたらすぐに食べること

びわに含まれるβカロチンやタンニンなどは酸化しやすいため、剥いたらすぐに食べるのがおすすめです。

皮を剥いてとっておくときはレモン汁を振りかけると酸化を防止し、変色も防げますよ。

びわの効果・効能

古来から中国やインドで「薬樹」とされ、実・葉などのほか、種子や花、根など全草に薬効があるとされてきたびわ。

まずはびわの「実」の効果や効能をご紹介しましょう。

びわの効能1 抗酸化作用

びわに含まれるβカロチンとタンニン、クロロゲン酸には抗酸化力があるとされ、アンチエイジング効果が期待できます。

 

抗酸化作用

びわの効能2 生活習慣病の予防

びわに含まれるβカロチンとタンニン、クロロゲン酸の抗酸化作用により、動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病を予防する効果が期待されます。

 

炭水化物

びわの効能3 皮膚や粘膜を潤す効果

びわに含まれるβカロチンには、粘膜の乾燥を防ぎ、疲労や視力の回復を促す作用があるとされています。

中医学でもびわは皮膚や粘膜を潤し、のどの渇きを癒す、咳を鎮めるなどの効果があるといわれています。

 

皮膚や粘膜を潤す効果

びわの効能4 夏バテ解消効果

中医学では、びわは身体を潤し、暑気あたりを解消する果物とされ、夏場など身体にほてりのある時に摂るとよいとされています。

 

夏バテ解消効果

薬効はびわの実以上?!びわの葉の優れた効能

実は、びわの実以上に優れた効能があるとされるのがびわの葉。

「ビワヨウ」という有名な生薬でもあり、内用、外用それぞれにさまざまな効果があるとされているんです。

びわの葉の効果・効能

びわの葉の効果・効能

民間薬としても長い歴史があるびわの葉ですが、漢方薬の材料としても長く利用され、『第十七改正日本薬局方』にも生薬「ビワヨウ」として収載されています。

生薬「ビワヨウ」には抗炎症作用、抗菌作用、咳をしずめる作用、痰を取り去る作用、利尿作用、健胃作用が認められており、医薬品として咳や暑気あたり、身体のむくみなどの症状に処方されているようです。

びわの葉の効能や使い方に関する情報はこちらにもありますのでご覧ください。

びわの葉の効能

びわの葉の効能|びわの葉化粧水やびわの葉温灸の方法もご紹介
古くから「大薬王樹」と呼ばれていて民間療法などにも活用されてきたビワの木。
そのビワの木から採取できる果実の葉が「びわの葉」と呼ばれています。

びわの葉の効能の記事を見る

江戸時代の清涼飲料水?びわの葉茶「枇杷葉湯」

びわの葉茶

江戸時代の清涼飲料水…といわれてもなんだか想像ができませんが、江戸時代には、びわの葉で作られた「枇杷葉湯(びわようとう)」という飲み物があったそうです。

庶民の間で愛飲されていたというこの「枇杷葉湯」、びわの葉を乾燥させて呉茱萸(ゴシュユ)や莪朮(ガジュツ)などの薬草を合わせて煎じたもの。

荷物を肩に担いで、街中を歩きながら試飲を無料でふるまった「枇杷葉湯売り」の姿は当時の夏の風物詩だったそうで、喉を潤しに集まる江戸の人々の姿が目に浮かびますね。

夏バテで疲れた身体をいたわるために飲まれたという枇杷葉湯。

レシピはいくつかあったようですので、お好きなハーブやお茶とブレンドした現代風アレンジで飲んでみるのも面白いかもしれません。

びわの葉のお茶の淹れ方はこちらをご覧ください。

冷たいまま飲みたい方はこちらが便利! 便利なびわの葉粉末の飲み方はこちらをご覧ください。

びわの葉粉末の飲み方

びわの葉粉末の飲み方|かわしま屋コンテンツ
びわの葉粉末は、お湯やお水に溶かして飲む以外にもお茶に混ぜたり、牛乳や豆乳等に入れても美味しくお召し上がりいただけます。
カフェインを含まないので、就寝前でも安心してお飲みいただけます。

びわの葉の効能の記事を見る

スキンケアにも万能!びわの葉活用法

びわの葉活用法

びわの葉は、古くから外用としても利用されてきました。

例えば、次のような利用法が民間療法として伝わっています。

・あせもやにきびなどの皮膚トラブルにびわの葉エキスを塗る

・冷え性や皮膚炎に、お風呂へびわの葉エキスやびわの葉を煮出した液を入れる

・打ち身や腰痛などにびわの葉エキスや葉のすりおろしから作った湿布を貼る

・虫刺されのかゆみや腫れにびわの葉エキスを塗る

このほか、咳をしずめるためにびわの葉エキスをマスクに塗る、びわの葉やびわの葉エキスを使って温灸を行うなど、さまざまな手当の方法があり、化粧水に利用される方もいるようです。

昔のお寺などでは、びわの葉そのものを炙って貼ったりしていたようですが、「いちいち揉んだり保存に気をつかったりするのが大変!」という方には「びわの葉エキス」がおすすめ。

びわの葉をアルコールに浸けるだけで作ることができ、手軽に使うことができますよ。

「びわの葉エキス」の作り方は、こちらをご覧ください。

びわの葉エキスの作り方

びわの葉エキスの作り方|かわしま屋コンテンツ
家庭でも簡単にできるびわの葉エキスの作り方をご紹介しています。
エキスは肌トラブルや虫刺されなどに効果があると言われています。
その他にも温灸として使う事で、体に様々な効果を得る事ができるそうです。

びわの葉エキスの作り方

びわの種ががんに効くって本当?

「びわの種ががんに効く」という話、耳にしたことがありますか?

「効く」「効かない」…Web上にはさまざまな説がありますが、実際はどうなのでしょうか? 

詳しく調べてみました。

がん治療に期待された時期もあったけれど…

がん治療に期待された時期もあったけれど…

さまざまな部位に薬効があるとされ、「万能薬」とまで言われることもあるびわ、一時は種に含まれる「アミグダリン」という成分が「がん細胞を死滅させる」などとされ、実際に治療にも使われてきたようです。

しかし、国立健康・栄養研究所によると、臨床研究の結果、現在ではびわ種の有効成分とされてきたアミグダリンはがんに対しては「効果がない」と明確に否定されています。

また、「欠乏するとがんや生活習慣病の原因に」「がん細胞だけを攻撃する」といった情報についても、根拠が科学的に証明されていない状況です。

もちろん、びわ種にアミグダリン以外の抗がん成分が含まれる可能性もありますが、現時点ではびわ種特有の抗がん成分の存在を記した論文等を見つけることはできませんでした。

現在のところは、残念ながら「びわの種ががんに効く」とはいえないようです。

びわの種に含まれる「アミグダリン」とは?

びわの種に含まれる「アミグダリン」とは?

アミグダリンは、バラ科サクラ属の種子の「仁」に含まれているシアン化合物です。

青梅に含まれることで知られ、びわの種にも高濃度で含まれています。

人の身体の中に入ると咀嚼・消化により分解され、青酸を発生させるので、多量に経口摂取すると健康被害を招くおそれがあります。

「がんに効く」とされたり「ビタミンB17」と呼ばれたりしていた時期もありますが、現在ではそれらの説は否定され、農林水産省でも摂取を控えるよう呼びかけられています。

びわの種は食用ではなく外用で

びわの種は食用ではなく外用で

びわの種と同じくアミグダリンを含むアンズやモモの仁は、生薬として利用されることもあり、ごく少量であれば安全に利用できるとされています。

といっても、素人が安易に摂取するのは危険。びわの種を食用にするのは控えましょう。

使用される場合は、粉末の状態ではなくアルコールなどに長時間漬けたうえで、外用として使われることをおすすめします。

びわについてのQ&A

びわのおいしい食べ方を教えてください。

生でいただく以外には、コンポートにしたり、びわの実がごろっと入ったゼリーにしたりと、ひんやりしたデザートにしていただくのがおすすめです。

また、お酒に浸けて「びわ酒」にしてみるのもいいですね。

「びわを庭に植えると病人が出る」「縁起が悪い」という言い伝えは本当ですか? 実は身体によくないのでしょうか?

「びわを庭に植えると病人が出る」という言い伝えの由来についてはいくつかの説があります。主なものは次の3つです。
①びわの木は常緑で大きく、庭に植えると家の日当たりが悪くなるため
②薬効のあるびわ葉を求めて病人が集まるので「びわ=病人」のイメージがついた
③薬効のあるびわ葉を得るため病人のいる家に植えたので「びわ=病人」のイメージがついた
いずれもびわやびわ葉の成分とは関係ないようですので安心してください。

びわのおすすめ商品

かわしま屋取扱いのびわおすすめ商品をご紹介いたします。


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この記事を書いた人

パン作りと温泉をこよなく愛する2児の母。老後は伊豆で大きな犬と暮らすのが夢です。豆乳が好き、猫は苦手。